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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「月神の浅き夢」柴田よしき(角川文庫)



【長い、長い夜の果て。途方もなく遠い夜明け。だが、開けない夜はない】

緑子の言動を見ていて、つくづく、女は感情で動く生き物だと思ったけれども。
それは何も女に限ったことではない。
男だって感情で動き、時に流される。
弱音を吐くのもいい。泣き叫んだってそれは無様じゃない。
だけど「逃げたい」というセリフは裏切りだと思う。
結局、麻生の翼は闇色には染まらない。
昏い夜の中の練は、いまも孤独だ。
読後に噛みしめる想いは、ひどく苦い。
緑子の強さは現実から目を背けないこと。
男社会にあって女であることを否定しないこと。逃げないこと。
初読の時は受け入れられなかった彼女の在り方を、理解はできないまでも
認められる分だけの年数が経ったのだなぁ、としみじみ思いました。

田村と練がじゃれあっている描写がなんだか可愛かった。
切ないままお預けくらって……もう10年以上かぁ。続き、待っています!

内容(「BOOK」データベースより)

若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。刑事として、母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、「RIKO」シリーズ最高傑作。

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