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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「武王の門 下」北方謙三(新潮文庫)



【夢をあわせ持つことができる。
 同じ夢をみることができる。
 そういう相手に火とは障害で出会うことがあるのでしょうか】

失った片翼。
それでも、立ち止まる暇はない。
それが、夢を掲げた者の宿命。
長い年月をかけて思い描いてきた九州の統一。
京ではなく、異国に目を向け、争いのない国を目指して続けてきた戦い。
届きかけた夢。
だけど、届かなかった。
結局、見果てぬ夢で終わってしまったけど、
全力でやりきった感が強くて、寂寞ではなく、
労いの想いの方が強い読後でした。
闘うために必要なものは、人であり、兵糧であり、銭である。
裏方から支える人たちをも魅力的に描くのが、さすが北方!と思います。
「夢は潰えても、夢は残る。心の中に」
北方歴史浪漫にどっぷり浸らせていただきました!

もう一度、九州に行きたくなりました。
行って、彼らの戦いに想いを馳せてみたい。
そして、北方は何を書いても北方だと再認識しました。
水滸伝読みかえしたい!

内容(「BOOK」データベースより)

懐良は肥後の名将・菊池武光と結び、悲願の九州統一を果たした。そして大宰府を征西府の拠点とし、朝鮮半島の高麗や中国大陸の明と接触することで、全く新しい独立国家の建設を夢見る。しかし、足利幕府から九州探題に任ぜられた今川了俊は、懐良の野望を打ち崩すべく、執拗に軍を進めた―。二十数年にわたる男の夢と友情のドラマを、ダイナミックに描いた一大叙事詩の完結。

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