きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「海の翼」秋月達郎(新人物文庫)
【人はひとりでは生きていけないということです。
歴史もまた、おなじです。ひとりでは紡げません。
人から人へ何事かが伝えられ、さらにまた人から人へ何事かが伝えらえる。
歴史はそうしたことの積み重ねで成り立ってゆく。】
多種多様な情報が飛び交う現代の情報化社会において、
何故、自分を含め、こんなにも大事なことを知らない人がたくさんいるのだろう?と。
この本を読むまでは知らなかったトルコの人たちの思いに胸が熱くなりました。
イランイラク戦争で混乱を極めたイラン国内に取り残された在留日本人を救うための飛行機を、
日本の政府も民間の航空会社も飛ばすことができなかった。
だが、トルコ政府もトルコの国民も、日本の人々を救うために手を尽くしてくれた。
語り伝えられた100年前の出来事に対する恩義を忘れていなかったから。
ありがとう、と。
ただ、そんな思いに胸が震えて、涙が溢れて仕方がなかった。
絶対に忘れてはいけない大切なことがたくさんたくさん詰まった本でした。
内容(「BOOK」データベースより)
イラン・イラク戦争開始から五年後の一九八五年(昭和六十)三月七日、イラク軍は突如、三月十九日以降にイラン領空を飛ぶ航空機の無差別攻撃を宣言。自国機の乗り入れのなかった日本は、イラン国内に取り残された在留日本人の救出対策に苦慮する。タイムリミットが迫るなか、日本人の苦境を知って、救援に動いた国があった…。このトルコ政府の英断の裏には、明治二十三年(一八九〇)九月、日本訪問から帰国中に紀州沖で台風にまきこまれたトルコ軍艦エルトゥールル号遭難の悲劇があった―。百年の時空を超えた“恩返し”を描いた感動の書き下ろし長篇大作。
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