きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「荒野のおおかみ」ヘルマン・ヘッセ (新潮文庫)
疎外感を感じながらも「市民的なわく」の片隅に留まりつづけたハリー。
孤高にはなりきれず、厭世的な方向にも振りきれず、
自殺願望を抱える50近いハリーが出会った少女、ヘルミーネ。
彼女と係わりはじめたことによって、
「市民的なわく」の内側にひっぱられていたことに、
彼は気付いていたのかな?
二面性なんて誰にでもあるし
良いことと悪いことをいったりきたりなんて当たり前。
人間はいつか必ず死ぬの。
終始彼に言いたかった言葉を
最後にモーツァルトがバッサリ言い放ってくれて、
デスヨネー、と大きく頷いて……ヘッセが導きたかったのもこっちだったんだよね?と、
自分なりに納得してみました。
ほぼ書かれた順番にヘッセの作品を読んできての11冊目。
『荒野のおおかみ』というタイトルから今までのヘッセの作風を連想して読み始めると、
その違いにちょっとびっくり。
この作者はこう書かないといけないっていうきまりなんてないからね。
いい意味での衝撃でした。【ガーディアン必読 59/1000冊】
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