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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「開かせていただき光栄です」皆川博子 (ハヤカワ文庫 JA)



ねぇ、キミは誰?
どうしてそんな姿に?
遺体は何も語らない。
だから生者が事実を検証し、隠された真実を推測する。
18世紀のロンドン。
ヒラヒラと揺らめく彼らの幻惑的な姿に翻弄されながら、
盲目の判事と共に混迷のなかに迷い混んでいく。
めくるめく浮遊感。
示される事実と、少しばかりの沈黙。
そして、嘘。
けれどもすべては真実へと導くため。
折り重なり、絡みあい、縺れあった糸がほどけていく様は圧巻。
人が人を裁くとはどういうことなのか。
真摯に受け止めなければならない。
そして心に残された喪失感。彼らはどこへ?
何故か、エドガーとアランの姿が重なった。


チャーリー(犬)の存在がひたすら可愛かった。
続編は手元にあるけど、彼らのその後に思いを巡らせる時間が少しだけ欲しいかな?
という気持ちにさせられたのよね。
皆川女史の描き出すとても素敵な世界。どっぷり浸らせていただき、光栄です(笑)。

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