きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「青狼 男の詩」浜田文人(幻冬舎文庫)
【人を頼ることはあっても、けじめをつけるのは己ひとり。
それが極道者や】
昭和四十年代の極道世界の物語。
当然、私の知らない世界なわけで、家系図……ではなく、組織図欲しいわぁ、と思いました。
幼少期からずっと慕ってきた松原と同じ世界に飛びこんだ村上。
自らの意志の働かないところで美山組の舎弟から松原組の若頭に杯を直したところから、
美山に寄り添った道を歩くことができなくなり、村上は二つの道理の間で揺れるようになる。
終盤までは大きな盛り上がりもなく淡々と進んでいくわけだけど、最終章。
松原と美山のやりとりにしびれました。
愚直なまでにまっすぐ。
村上はそんな生き方しかできないのかな?
対する美山はそれが是か非かはともかく、かわりゆく極道世界の先を見ている。
それでも村上を可愛がっていたころの想いはそのままで彼の家族を思案する美山。
気丈な母親と村上のやりとりもよかった。
この先の話がどう展開していくのか気になるところ。
内容(「BOOK」データベースより)
殺人の罪で服役後、幼少期から慕ってきた神侠会の美山勝治を頼りに、同会の松原宏和が率いる組に入った村上義一。栄達をひたすら目指すが、松原と美山の対立が起こり、微妙な立場に立たされる。守るべきは、組織の筋目か、己の義理か―。二つの道理の間で揺れながらも、極道の世界でまっすぐに生きようとする男を鮮烈に描いた、傑作長編小説。
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