きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「楊令伝 6 徂征の章」北方謙三 (集英社文庫)
嵐の前。
来るべき決戦の時に備え、それぞれに見合った場所で力を蓄え、
或は、増強させていく梁山泊。
編成替えの配置の仕方が興味深い。
決して変わらないと思っていた致死軍の指揮官の交代に、
寂寞感がひとしおだった。
だけど、彼なら間違いなく新しい致死軍を作り上げてくれると。
確信できる期待感が嬉しい。
梁山泊の豪傑達を育ててきた子午山は、
殺戮に倦んだ童貫の心をすら晴らす。
王進の存在は誰にとっても平等だ。
幻王軍を解散し、純然たる梁山泊の頭領として一皮むけた楊令。
いよいよ梁山泊に合流する呉用。
静寂な時の終わりは近い。
いざ、決戦へ。
今を生きる者達がかつて散って行った者達を語る言葉が優しく沁みる。
『水滸伝』があってこその『楊令伝』。
実感できることが嬉しい。
初読の時に聞煥章に腹を立ててキリキリしすぎたせいか、
今回はその辺りは感情的にならずに読了。
北方の「さらば」の台詞の使い方は本当に絶妙すぎてぐっとくる。
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