きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「変わらぬ哀しみは」ペレケーノス(ハヤカワミステリ文庫)
1960年代のアメリカ社会の混乱と騒動の中に生きる人々の人生が、
過剰な装飾はなく、淡々と語られる物語。
だが、その時代に生きた人々の日常はこうであったのだろうと、
圧倒的なリアリティを伴って迫ってくる。
家族。暴力。愛情。自立。人種。堕落。
そんな彼らの人生は、どこかほろ苦い。
道を過たず、堅実に人生を歩む者。
どうしようもない悪行に手を染める者。
気付けば、深みにはまって抜けられなくなってしまった者。
たくさんの登場人物たちの人生と、当時のアメリカの現状を
むせ返るような熱気と共に見事に描いた物語。
一気に読まされました。
読後はやるせない余韻がジワジワと染みてくる。
何故かこれがシリーズ1作目だと思って読み始めた私。
実際は4作目だけど、時代的には一番過去の物語だから結果オーライ?
ペレケーノスもコンプリしたい作家さんの仲間入り。
【ガーディアン必読 52/1000冊】
内容(「BOOK」データベースより)
1968年、黒人警官デレク・ストレンジは己れの職務をまっとうしていた。白人から罵られ、黒人から同砲を取り締まる裏切り者と蔑まれても。時代は大きくうねり、黒人はキング牧師の下、権利の拡張のため社会運動を起こしていた。その最中、黒人青年が車に轢かれて不可解な死を遂げた。警察の捜査は進まず、やがて黒人による暴動の兆しが見え始める。その時デレクは…ハードボイルドの詩人ペレケーノスが綴る時代の慟哭。
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