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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「黒龍の柩 下巻」北方謙三(幻冬舎文庫)



時代の波に乗り切れなかった近藤勇。
滲む彼の諦念が、とても哀しい。
そして土方は、時代と共に駆け抜けたのか、
或は、時代に抗ったのか。
いや、彼は最後の瞬間まで彼の人生を駆けていた。
夢のかけらをその胸に抱いて。
かけらが砕けて散った時、彼は別な男へと生まれ変わる。
男たちは掲げた夢のために一丸となって戦っていた。
一刻を争う激動の時代において、
時を待とうとしたことが夢を壊した。
これは、時代の波に乗り切れなかった男たちの物語。
そして、移り変わる時代を精一杯生きた男たちの物語。
ハードボイルドな幕末小説。
北方浪漫、ここにあり!


「戦に、限界があると思っているのか。
あるのは、勝つか負けるか。
生きるか死ぬか。
それだけだ」
彼を迎え入れるためにそこまでの覚悟で戦っている男たちがいるのに。
「待つ」ことを是とした彼。
だったら何故北を目指した!?と、言いたくなったけど。
彼にはほかの誰もが担えない責任と思いがあった。
ならば、「無念」という言葉は彼にだけは口にしてほしくなかった。
こうなることを選んだのはあなたなのだから。

そんな時「BAKUFUって統べろう!」を思い浮かべてみたら、憤りも消えました。←色々台無し(笑)

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