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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「カンディード」ヴォルテール (光文社古典新訳文庫)




作中で繰り返し唱えられる最善説をあざ笑うかのような残虐非道な行い。
コミカルな表紙とは真逆の行為。なのに鬱々しさがない、軽妙な文体の不思議。
降りかかる災厄をスルリスルリとすり抜けて、カンディードは旅をする。
無一文から始まった旅はカカンボという友を得、たどり着いたのはエルドラド。
だが、彼らは安寧に落ち着くことなく、愛しい人のもとへと踵を返す。
不幸とは?幸せとは?最善とは?
繰り返し論じながら彼らが選択したのは、地にしっかりと足の着いた生活。
本編を踏まえた上で、一緒に収められた『リスボン大震災に寄せる詩』を読み、
気持ちが一気に引き締まる。
時間をおいて再読したい。

「働くことは私たちを三つの不幸(退屈と堕落と貧乏)から遠ざけてくれる」
説得力のある言葉。
「そんなひとでも自分が災難にまきこまれると途端に人間らしく泣きわめく」
だよね~、と納得の言葉。
綺麗事や説教めいたことを言っていられるのは他人事だと思ってるからって部分は絶対にある。
それにしても、18世紀の作品とは思えないのは、翻訳の妙なのかな?
出逢えてよかった作品は、読メ登録1234冊目でした。
【ガーディアン必読 75/1000】

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