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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ザ・ボーダー  上」ドン・ウィンズロウ (ハーパーBOOKS)



自らの意思で戦いに臨んだ者の末路は結果はどうであれ全て自業自得だ。
けれども。
望まずに争いに巻き込まれた者にとっては全てが悲劇でしかない。
麻薬戦争。
末端を叩き潰したところで意味がない。
変わりはいくらでもいるのだから。
だから金の流れを断つ。
頭を潰すために。
その判断は間違っていないけど、伴う困難と負うリスクは果てしなく大きい。
アダンは必要悪だったのか?
それは違う。
彼が存在することで安定する世界を構築した者たちこそが混沌の原因。
人生を賭けて戦いに挑んだ者たちの物語。
どんな結末を迎えるのか。
ドキドキしながら下巻へ。

作中で描かれる、かつてニュースで見聞して戦慄した出来事が物語のリアリティを増す。
麻薬組織側は息子たちの時代に移行していっているのに、
一方で最前線で指揮を執るアート。
素晴らしい成果をあげながらも、効果のなかったかつての作戦。
出口のない戦争。
彼が安らげる日はくるのか?来て欲しい。

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