きままに読書★
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「幸福論」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)
ヘッセの晩年の随想や短編が14編収められた作品集。
この本は、ある程度ヘッセの作品を読んだうえで手に取ることをおすすめします。
ヘッセの著書にまつわる話や作品名がチラチラ出てくるので、
そのストーリーを思い浮かべて頷くことができるのは、読んだ人だけの特権。
そして、この本に収められている作品を読み進めていくほどに、
既読の作品から受け取っていたイメージと違わぬヘッセの姿がそこここに在って、
なんだかほっとするのです。
だからこそ、最後の「日本の私の読者に」というヘッセからのメッセージは
素晴らしいプレゼントでした。
「部屋のあかりを消すと外には異常に美しい神秘的な世界が横たわっている」
という表現の後につづく情景描写が秀逸。
内容には関係ないけど、この作品に限らず、
高橋氏は「もう少し」と言いたくなるところを「も少し」と訳します。
だから必ずそこでひっかかる(笑)
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