きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「幼年期の終わり」アーサー・C・クラーク(ハヤカワ文庫)
【われわれはこの先、どこにいくのだろうか?】
人類が宇宙に飛び立とうとする、まさにその瞬間。
遥か彼方から地球に訪れた、生命体との出逢い。
この出逢いがもたらすものは一体何なのか。
「人類はもはや、孤独ではないのだ」
わくわくするようなプロローグ。
しかし、別の惑星に住む高度な知的生命体との出逢いは、
私の知る「人類」の終幕へのカウントダウンだった。
産み育てた子供が手の届かない存在となってしまう悲哀と喪失。
未来があると信じられるからこそ生じる活力。
「幼年期」を終えた地球の在り方を見届けられるものは誰もいない。
「その記憶とは、過去の記憶ではなく未来の記憶」即ち予兆。
誰もが知る「悪魔」という概念に対する時間軸の逆転の発想には、ただ唸るしかなかった。
沼沢氏の翻訳した創元版と併読。
言葉の言い回しの細かいニュアンスはこんなに違うんだなーと、
なかなか面白い読書体験でした。
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