きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「悲しみのイレーヌ」ピエール・ルメートル(文春文庫)
混在する真実と虚構。
彼らは何処までが彼ら自身だと言えるのか。
『悲しみのイレーヌ』
ある意味、虚像のままだった彼女。
これは、犯人ありきの物語。
破壊される人間の描写に、いや、もうたくさんです。
キャパオーバーで感覚麻痺ってきました!と言いたくなった第一部。
そこから展開される怒涛のような第二部。
描かれている彼らにどこまで肩入れしていいのかは、
次作を読んでからじゃないと判断がつかないじゃん!と、唸ってしまう結末。
口直しが必要な読後感ではあったけど、
最後まで失速することなくグイグイと読ませる展開はさすがでした。
個人的には『ブラック・ダリア』読了後の本作で思いっきりタイムリー。
ルメートルは『その女、アレックス』を読んだからこそ、
他の作品も手に取ることになった作家ではあるけれども。
未読の方は『悲しみのイレーヌ』→『その女、アレックス』の順番で読まれることをおススメします。
とはいえ、完成度と面白さでは断然『アレックス』だと思うので、
『イレーヌ』のザラザラした読後感にめげずにチャレンジしてもらいたいです。
内容紹介
『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。事件は異様な見立て殺人だと判明する…掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
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