きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「閃光スクランブル」加藤シゲアキ(角川文庫)
【そこで生きられるのはよっぽどの天才か、鈍感な人間だけなんです】
「有名税」という言葉が頭を過った。
プライベートが切り売りされることは、
芸能人で在り続けるための代償のようなものなのか。
ゴシップになりそうなネタには喰いつかれても、
華々しい笑顔の裏の、血の滲むような思いが顧みられることはない。
アイドルで在り続けることはかくも大変だ。
程度の差こそあれ、日常で惑い、悩むのは、芸能人も一般人も変わらない。
人生が壊れるほどの衝撃。
自らを傷つけなければ収まらない衝動。
呑みこんだ毒や哀しみは癒えなくとも、吐き出すことはできる。
要は、その相手がいるかどうか、なのかな。
「取り戻そう。これからの日々を」
モノクロの世界から鮮やかな世界への脱却。
お互いにとってプラスに作用するような出逢いはとても素敵だと思う。
スクランブル交差点での決別のシーンがとても好き。
頑張って生きるあなたたちにエールを。
内容(「BOOK」データベースより)
人気アイドルグループのメンバー・亜希子は、世代交代の現実に思い悩み大物俳優と不倫を続けている。最愛の妻を亡くし、ゴシップカメラマンとして生計を立てる巧はそのスクープを狙っていた。2人はある事件を機に出会い、思いがけない逃避行が始まる。瞬く光の渦の中で本当の自分を見つけられるのか。渋谷スクランブル交差点で激しく交錯するパパラッチと女性アイドルの人生―愛と再生を描く疾走感あふれるエンタメ小説。
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