きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「華氏451度」レイ・ブラッドベリ(ハヤカワ文庫)
【ぼくたちが幸福でいられるために必要なものは、
ひとつとして欠いていません。
それでいて、ちっとも幸せになれずいにいます】
思索することを禁じ、情報の画一化された世界の中で、
知的財産、即ち書物を焼き払うことを生業とする男たちがいる。
知的好奇心を抹消され、己の意思を奪われ、無為に過ごす時間に疑問を持つことは、
果たして、幸か、不幸か。
身を置く世界に異を唱えれば、己の身に危険が及ぶ。
だが、一度溢れ出した疑問は、烏合することをよしとしない。
流れに身を任せて生きることは簡単で安全だけれども。
現実に抗った結果、モンターグが失ったものと得たものをどう捉えるのか。
「一番大切なことは単に生きるのではなく、善く生きることです」
ソクラテスの言葉が脳裏に浮かんだ。
愛してやまない書物を焼き払う炎の描写の美しさに息を呑みました。
書かれたのが1953年。
今なお色褪せないおもしろさ。
内容(「BOOK」データベースより)
華氏451度―この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく…。本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!
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