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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「青春は美わし」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)



それは、淡く美しく、成就しない恋。
澄み切った余韻をどこまでも引きずりながら、
小さな痛みを胸に宿す。
決して穢れることのない、青春の思い出。
収録作品二編共に描かれていたのは、儚い恋。
ふわり、と、たゆとい、形を成す前にあえかに霧散する。
だけど、確かにそこにあった想い。
特に『ラテン語学校生』
当事者である主人公はまだ10代半ば。
彼の瑞々しい感受性がキラリと光る。
そして、最後に彼が目にした揺るぎのない愛。
実らなかった初恋の代償として得たものは、とてつもなく尊いものだった。
やさしく紡がれるヘッセの物語。爽やかに読了。

蛇足ながら付け加えれば、
主人公が若干思い込みが激しいところも二編の共通項。(笑)
数年帰らなくとも、あたたかく自分を迎え入れてくれる故郷がある。
それがどんなに喜ばしく、素晴らしいことなのかが伺える。
だけど、次の帰郷の時に彼女はいないのかな?
たった一行のとても気になる描写が引っかかって仕方がない。

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