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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「目くらましの道・上」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

菜の花畑での少女の焼身自殺。
彼女は誰?どこから来たの?
それが主軸に話が進むのかと思ったら。
その直後に連続して発生した猟奇的な殺人事件の捜査にヴァランダーたちは奔走する。
巻頭の登場人物欄を眺めていれば、読んでいる途中で犯人に行き当たり、
それが「彼」であることに当惑する。
何故男たちは殺されなければならなかったのか。
ヴァランダーたちの捜査の進行と共にぼんやりとしたものが浮かび上がり、
彼等の捜査の傍らでその理由を推測しながら読み進める。
そして、事件が少女の自殺とどう関係してくるのか?
下巻が気になって仕方ない。

シリーズ5作目にしてガーディアン選書。
「シリーズ物は一作目から読む!」という信念(?)のもと、
この『目くらましの道』を読むために1作目から読んできたけど、
読む機会を与えてくれてありがとう!と言いたくなるおもしろさだわ。
【ガーディアン必読118-1/1000冊】

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「VIP 接吻」高岡ミズミ (講談社X文庫)

目の前にいるのは自分の知っている彼ではなくて。
10年分の記憶が抜け落ちた恋人。
自分には彼と積み重ねてきた思い出があるのに、彼の思い出の中に自分はいない。
やるせなさ半端ない。
「俺の男をここに連れてこい」
恋人である久遠に向かっての和孝の台詞、刺さったわ。
それでも離れることを微塵も考えなかった和孝の頑張りにより、
結果的には二人の人生の在り方を言葉にして確かめあうに至って安堵。
和孝が二人の関係を改めて見つめ直していく過程も良かった。
一つの問題は片付いたけど、進行中の問題はまだ山積み。
鋭さを増した久遠が何だかカッコいい。

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「VIP 流星」高岡ミズミ (講談社X文庫)

うっ……ストーカー気持ち悪い。
わかってたけど気持ち悪い。
ホント気持ち悪い。……というわけで、
感想は「気持ち悪い」の一言に尽きてしまった……あれ??
語彙力を奪いつくすストーカー。
言葉が通じない人と対峙するのは本当に厄介。ってかもう、災害だよね。
早く退場してもらいたい。
三島もめんどくささに拍車がかかってるけど、
ラスト、とんでもないところで続いて、今後事態はどう動く!?
気、気になる……
というわけで、気持ち悪いと気になるとでストレスフルな読後。
解消目指して続きいきます!
あ、でもその前に癒し成分注入したい。



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「笑う男」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

前作の事件で心を病み、辞職を決意したヴァランダーを刑事へと引き戻したのもまた、
事件だった。
正体の見えない殺人者、証拠のない容疑者をどのように追い詰めていくのか。
一つ一つの事象をコツコツと調べ上げていくその過程が興味深く面白い。
とてもとても楽しく読んでいたのですが。
ラストちょっとだけ失速。
一人で突っ込むのは目をつぶるとして、
警察関係者ではない人間をあんな形で捜査に巻き込むのはやっちゃいけないと思うんだよね。
このシリーズの何がおもしろいって、
登場人物の生活感や人間性がしっかり伝わってくるところ。
なんだかドラマチックなところで終わったので続き気になる~!


霧の中の運転超怖い。
まだ夜も明けきらない明け方の高速で、一気に立ち込めてきた霧に視界が悪くなり、
前の車のテールランプしか見えなくなった恐怖。
トンネル大嫌いだけど、トンネルがありがたいと初めて思った瞬間。
次のSAにたどり着くまでヒヤヒヤだったわ~。
さて。
次作はいよいよガーディアン選書の『目くらましの道』。
私、シリーズ途中から読むのがどうしてもできなくて最初から読む以外の選択肢がなかったわけですが。
このシリーズはそれで正解。

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「VIP 抱擁」高岡ミズミ (講談社X文庫)

側にいてリラックスできて甘えられて甘やかして。
愚痴を言ったり聞き流したり。
交わし合う会話からも
久遠と和孝の関係が安定していることが伺えて、とても和む。
立て直しを図った和孝の店の方も順調で、
後は黒幕問題が解決すれば……と思いきや。
ストーカーの斜め上を行く気持ち悪い変態が絡んできてぞわぞわする。
自分で勝手に作り上げた世界で生きてる人って話が通じないから怖いんだよ。
その変態が社会的地位を確立してるっぽいから余計に厄介。
この変態絡みの問題は、早々に解決しますように。(気持ち悪いから)

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「白い雌ライオン」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

殺された理由は、道に迷ったから。
なんて理不尽な!
いや、これ、犯人どうやって見つけ出すの?
と思ったら、そんな範疇に留まる物語ではなく。
これは刑事ヴァランダーの物語でもあり、
国内に大きな問題を抱えた南アフリカの物語でもある。
犯人の追跡と同時に進行するのは、
ネルソン・マンデラの暗殺計画と阻止。
情報量の多さに脳内フル回転で読み切ったのは、
抜群におもしろく、そしてどこか哀愁の漂う物語だった。
単一民族国家で生きてきた私には遭遇することのないであろう人種問題。
白人でも黒人でもなく、アフリカ人である。
誰もがそんな認識でいられる世界であるといい。


プロローグを読みながら、あ、これ『シグマフォース』シリーズっぽい!
と、既視感。
だけど、本作の登場人物たちはシグマフォースみたいに殺しても死なない超人ではなく。
人間味あふれる一般社会で生きる人たちで。(一部例外アリだけど)
そんな彼らが必死で自分の職務を全うしようとする姿に思わず力が入る。
疲れ果てたヴァランダーに届けられた同僚たちのやさしさがあたたかい。

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「VIP 渇望」高岡ミズミ (講談社X文庫)

前作から引き続いての和孝の店の立て直し。
久遠の黒幕探し。
そこに地面師問題が絡んで展開していく本作。
久遠と和孝の関係性においては雰囲気が柔らかくて。
側にいることで寛げて愛おしくてと言うことが伝わってきて。
こちらも幸せな気持ちのおすそ分け。良き。
出会ってから10年。
久遠の忍耐と、和孝の成長と。
互いに対する想いの深さと覚悟。
全てが相まって、こんな雰囲気になるんだなぁ、と、感無量。
互いを想ってそわそわする発言とか、コバンザメ発言とか。
まさかのワードの連発に相好も崩れます。
久遠が自覚的に発した「三年」の言葉が頼もしい。有言実行で!


「三年」というワードによって瞬時に連想されるのは
『間の楔』という私のバイブル。
ハードカバーの初期作品が神。

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「リガの犬たち」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

田舎町の刑事がいつもの職務の一環として担当した事件。
それがまさか、国境を越えた命がけの行為にまで及ぶとは、
彼自身、想像することはできなかっただろう。
二度の大戦で大きな影響を被ったラトヴィア。
ソ連の支配下からの独立運動という
大きな変革を遂げようとする国の内部に蔓延る混乱。
内政問題に加えて国家的な犯罪に意図せずして巻き込まれたスウェーデン人のヴァランダー。
職務の枠を飛び越えてよくぞそこまで頑張ったという奮闘ぶりと、
最後の最後まで予断を許さなかった怒涛の展開に引っ張られて一気読み。
事件後の彼の憂鬱がやるせない。

ここが頂点か?と思ったら、え、まだいくの!?
これ以上はないよね?と一息つきかけての、え、まだ!?
……という畳みかけるような展開に終始ドキドキハラハラ感が味わえます。
読後はヨーロッパの地図を眺めてスウェーデンとラトヴィアの位置確認。

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「呪われ悪役令息は愛されたい」八月八(ディアプラス文庫)

おもしろかった…けど、ん~~?
と、納得しきれなかった読後。
主役サイドには文句なし。
呪いを解くためにめっちゃ頑張ったし、
ディルクが自分を変える努力を惜しまなかった姿にも好感が持てる。
彼の見た目や言動が変わる前から態度が一貫していたミヒルも良い子。
けど、その他面々。
ディルクの言動に問題はあったけど、
そんな本心だったら彼を排除し続けたその態度はどうなの?と言いたかったり、
子どもに寂しい思いをさせ続けていながら
いや、実は……とか言っちゃう家族の身勝手な在り方はどうよ?と思ったり。
おもしろかったけど、残念な読後。

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「夜愁 下」サラ・ウォーターズ (創元推理文庫)

1947年から始まった物語は、1941年へと時を遡っていく。
描かれているのは、彼等の人生の逆再生。
過去を知るにつれ、現在の彼等の姿が際立ってくる。
あの時のあの出来事があったから、今の彼らが在るのだと。
納得できるのと同時に、歯痒い思いを抱くことにもなる。
空爆の音が絶えない戦時下でも、人にはひとりひとりの人生がある。
心は移ろい、時にすれ違う。
或いは、癒えない傷を抱えたまま、知らず、吐息がこぼれる。
夜の愁い。一貫して鈍色の空のようなイメージの本作。
その隙間から彼等の元に一筋の光が射すことをひっそりと願う。


時間軸的には1941年の彼等から追っていく読み方もあるかもしれない。
けれども。
いつか、この作品を再読するときは、同じように1947年の彼等から遡っていくのだろう。
「今」に至る彼等を形成する過去をしっかりと噛みしめながら。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
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