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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「彩雲国物語四 想いは遥かなる茶都へ」雪乃紗衣(角川文庫)

思っていた以上に血に塗れた過去を背負っていた静蘭と燕青。
いま、こうやって二人が並び立って言いたい放題言い合いながら笑えることに、ただ溜息。
生きていてくれて良かった。
本当に良かった。
ここで謎のヴェールに包まれていた(?)国試の次席合格者、龍蓮の存在が明らかに。
外見に関してはどこぞの信長様を彷彿とさせる奇抜っぷり。
まだ十代の国試合格者ナンバースリーまでが茶州に集い、
先王の治世を支えたおじいちゃんも駆けつけ、
サイコパスな茶州の次男が暗躍し、
いずれ頭角を現すらしい茶州の三男も奮闘し、先の展開が気になる四巻。

ここにきてようやく登場人物の名前をつっかえずに読めるようになった。(笑)
フリガナ付きの登場人物紹介欄を作ってほしかったなぁ。




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「彩雲国物語三 花は紫宮に咲く」雪乃紗衣(角川文庫)

国試を上位で突破できたのは、自身の努力とそれに付随して備わった能力の賜物。
上位者を実力ではなく姑息な手段で引きずり落そうとするのは、
相手よりも劣っていることを自ら認める事である。
と。
馬鹿どもは何故気づかないのか。
理不尽な仕打ちに毅然として立ち向かった秀麗と影月。
がんばったね。
働き盛りのアラサーたちが有能ぶりを遺憾なく発揮して
職務に勤しむ姿は良き。
更にみんな個性が強烈でとても良き。
今回は劉輝の株が上昇。
かっこよかったよ。
荒れ果てた州へと赴く秀麗と影月がどんな施政を行うのか
楽しみ。


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「彩雲国物語二 黄金の約束」雪乃紗衣(角川文庫)

秀麗が将来目指す方向性と、その道を貫く困難が明確になり、
この先彼女の力になってくれるだろう人たちも続々と登場する二巻。
ある意味、本人無自覚の逆ハーレム。←言い方。(笑)
劉輝には報われないままでいて欲しい。
←おもしろいから、と、現時点では青蘭推しだから。
現代社会にも通じる問題も見受けられるところが、深いなぁ、と。
そして、どこの国、どこの世界にも私利私欲のことを最優先でがんばっちゃう施政者がいるのよね、と、昨今の世情を鑑みてため息。
ラストの「おかえり」にちょっと戦慄。
私的にはあり得ないけど、これは吉事?凶事?


私の燕青はこんなクマ男ではない!と、一瞬錯乱(?)しかけましたが。
いやいやいや。
これ、北方水滸伝じゃないから、と別人認識。(笑)
陽気で人当たりの良い(北方)燕青……あ、想像できない。


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「7月のダークライド」ルー・バーニー (ハーパーBOOKS)

それはあなたの為すべきことではない。
何度もそう思った。
どうにかしようと突進すればするほど、
見えてくるのは命の危険。
それも、自分のみならず、協力してくれた知人や、
救いたいと願った当人たちですらも巻き込みかねない危険。
けれども。
彼は見て見ぬふりはできなかった。
虐待の痕の残る子どもたちをそのままにしておくことはできなかった。
救いたい、と、思ってしまった。
彼自身の手で。
と同時に、変わりたかったのかな、とも思う。
彼自身が、今の自分から。
その想いが伝わってくるから。
無茶だと思いつつ、夢をみかけてしまった。彼と同じ、美しい夢を。

登録2400冊目。
ああああ、もう!と、どうにもやるせない読後。
たとえ、どんなルートを辿ったとしても、多分彼は諦めなかったんだろうなぁ。
無茶だ、と思いつつ、彼に寄り添ってしまった。
だからこそ、やるせなさが余計に募る。
ルー・バーニーの刊行された長編は5作品。
未翻訳の長編があと3作品。
全部読みたいので是非翻訳をお願いします。




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「彩雲国物語一 はじまりの風は紅く」雪乃紗衣(角川文庫)

先入観的なイメージで、きゅるんとした少女小説だと思っていたけれども。
国政、後継ぎ問題、陰謀、忠誠、そして人と人との関わり方等々。
骨格のしっかりした、読み応えのある物語だったお借り本。
めっちゃ面白かった。
若者だけではなく、おじさまやおじいちゃん年代の方々まで
暗躍したりガチで戦っちゃったりしているのも好みで良い。
展開が早いので、続きが気になってあっという間に一気読み。
それにしても……それぞれ事情を抱えた人たちの化けっぷりがすごい。
王宮って怖いわ~。
物語はまだ序章。
これからどんな世界が広がっていくのか。とても楽しみ。



「その人の人生はその人だけのもの。
幸も不幸もその人自身が選ぶもの」
最近ね、会社の制度が変わった場合についての
自分の将来設計についてちょっと考えていたんだけど。
とりあえず当初の予定通り自分のやりたいように突き進んでいいんじゃね?と、
改めて肯定してもらえた気持ちになってみました。
会社の制度が変わっても、私の将来設計は変わらず。(笑)
楽しまないとね。


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「UNMORAL」かわいゆみこ (ビーボーイノベルズ)

なんだかんだありつつも、みんな素直だなぁ、と、
微笑ましく思う。
進路問題で親と殴り合っても、
親の口出しが愛情からだと、ちゃんとわかっている。
裕美ちゃんの生き辛そうな頑なさには心配になったけど、
彼女もちゃんと聞く耳と考える力を持っている。
一番素直になりきれなかったのは宗梁かな。だから変化の兆しが嬉しい。
他者の受け止め方を知っている苑井。
好意の示し方もちゃんと知っている。
そんな彼からのアプローチに駆け引きめいた言葉をかけながらも
次第に心を惹かれていく橋月。
丁寧で緻密な描写に彼等の心情が染み入るように伝わってきて、楽しく読了。


本に呼ばれる、というか、本を読むタイミングってあるよなぁ、と、つくづく思う。
作中に出てくる街並みの描写に、去年神戸を訪れた記憶が鮮明に浮かんだ。
異人館、行ったよなー、とか。
坂道、めっちゃ歩いたよなー、とか。
そうやってリアルに思い描けることが嬉しい。
一緒に歩いてくれた友だちがいることも嬉しい。

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「星を編む」凪良ゆう(講談社)

失われた命は取り戻すことはできない。
わかっているからこそ、こみ上げる想いは呑み込むしかない。
櫂の遺した作品を世に生み出すために尽力した編集者・植木と二階堂の姿に、
彼等のやり遂げたことに涙が滲んだ。
たくさんの後悔を抱えていたんだろうなぁ。
思っていた以上に重いものを背負っていた北原。
彼と暁海のゆるやかな愛の育み方が、素敵だと思う。
愛の形は色々あって。
思うところは人それぞれで。
抱えた想いは言葉にしなければ、理解し合えない。
人は、完璧ではいられない。
だから、許し合い、そして支え合う。
胸を抉った物語。とても良かった。

夭逝の天才。
このフレーズと、癌というワードから、伊藤計劃が頭を過ぎった。
『汝、星のごとく』から貸してくれた友だちに感謝。
復習してからの本編でがっつり浸れて抉られたよ。

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「VIP 桎梏」高岡ミズミ (講談社X文庫)

第一部番外編。というか宮原編。
正直、現時点ではアルフレッドには全く興味も共感も持てず。
結果的に宮原を直撃したトラブルは「アルフレッドのせい!」以外の何物でもなく、
そもそも、強引に宮原を英国に呼びつけたやり方も気に入らなく、
好きなら好きでもっとやり方があっただろうに、と、
文句たらたらで読了。
お坊ちゃまアルフレッドには「馬鹿なの?」と、言ってやりたい。
まぁ、宮原が許してるから、それでいいのかな。
和孝たちの登場にテンションが上がったあたり、私は彼等の出番を待っていたのだと思い知る。
第二部、どんな展開になるんだろう?

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「夜愁 上」サラ・ウォーターズ (創元推理文庫)

1947年。第二次世界大戦直後のイギリスで暮らす人々の物語。
それぞれが過去に負った傷や抱えた何かに縛られながら、時を過ごしている。
前に向かって進む彼等の足を、その傷が、時に引っ張るように感じられるのは、
その傷がいまだに癒えていないからだろう。
「幸せ?」との問いに「幸せなふりをしているだけ」との答えが切ない。
彼等の暮らしぶりを追いながら、過去に一体何があったのか、という思いが膨らんでいき、
絶妙なタイミングで時間軸は過去絵と遡る。
1944年。
そこには、戦禍の中、日々を生きる彼らがいた。
先の予測がまったくつかないまま下巻へ。


そうそう。
サラッと読み進めることができないこの感じ、
ガーディアンよね~、と、手ごたえに懐かしさを覚えつつ、上巻読了。
病院の待ち時間に読もうと思って本書を持って行くも、待ち時間1時間半とのこと。
ギューギューの待合室で待つのも何だし、と一回外に出てカフェで読もうと思ったら、
その店が閉店。
じゃあ、こっち……と移動したカフェでは駐車場が満車で店に入るのを断念。
そうこうするうちに時間がなくなって、結局ドライブしただけで再び待合室へ。
おとなしく待合室で読み始めました。(笑)
【ガーディアン必読117/1000冊】

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「VIP 残月」高岡ミズミ (講談社X文庫)

シリーズ第一部完。
前巻から三年ぶりって……あそこで三年待たなきゃいけなかったのって苦行。
一気読み出来て良かった。
火災現場のあの状況下で火の中に飛び込んでいくのは多分私には無理。
それが正しいかどうかはわからはいけど、和孝は行っちゃうんだよね。
今回は久遠の和孝に対する想いが明確に聞けて良かった。
そして和孝の口からも迷いのない想いが聞けて良かった。
二人の互いに対愛情は揺らがなくて、
それでも慣れ合わない二人が好き。
和孝にとっては新たな一歩の始まりとなる巻。
しっくりくる彼の選択は、これまできちんと彼の成長が描かれていたからなんだろうな。





個人的にリアタイで追いかけていて「次巻に続く」となったところで、
人生において一番「はああぁぁぁ!??」と絶叫したのは
『炎の蜃気楼』の『わだつみの楊貴妃』。
発売を待って次巻を手に取るまでの間がホントきつかった。
二番目も掘り起こせば『炎の蜃気楼』だと思う。(苦笑)
一気読み万歳☆彡



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