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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「VIP 聖域」高岡ミズミ (講談社X文庫)

襲撃された、という情報は入ってくる。
だが、怪我の度合いもその生死すらわからない。
繋がらない電話。
不安で押しつぶされそうなところをあんな方法で強引に連れ去られたら……文句の一つや二つ、言いたくなるわ。
ってか、殴ってもいいと思う。
だけど。
無事であったことの安堵の方が計り知れない。
心配だったからこそ、怒りは持続しないようね。
何か事があるたびに、絆を深めていく久遠と和孝。
何か事があっても、離れることは念頭にない二人の在り様に、気持ちが和らぐ。
このまま、いつもの日常に戻るかと思ったのに。
うそでしょ?と二度見したところで次巻へ。




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「あなたが殺したのは誰」まさきとしか (小学館文庫)

現在の東京で起こった事件。
過去の北海道の離島での出来事。
同時に進行していく二つの物語。
いずれ、重なることはわかっている。
発端は北海道での出来事にあるのだろう。
だけど、どう、つながる?
どうにも抗えないものに翻弄される彼等の生活が、ただただ苦しく、
もつれあった糸が解けて明るみに出た真実が、哀しい。
そして、彼が捨てることのできなかった執念がやるせない。
一気に読み切って、抱えた想いが胸の中でぐるぐる渦巻いて、消化しきれない読後。
ああ、もう!とジタバタしたい。
著者の筆力に呑み込まれた感が拭えない。

とりあえずどよーんとした気持ちから浮上するために笑える動画見ておこう。
と、気持ちをリセットしてからレビューを打っていますが。
内容を反芻してまたどよーんとなりかけています。
このシリーズ、ホント癖になる。
次作も間違いなく読むよ。

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「VIP 情動」高岡ミズミ (講談社X文庫)

規則正しい生活は心身を健やかに保つ効果は少なからずあると思う。
冴島の元で生活をしながらの和孝の変化がそれを如実に物語っている。
慣れない料理に奮闘する姿は微笑ましいし、
何より日常での基本的な挨拶がきちんとできるようになっていることが嬉しい。
お互いに好きあっているのに、一緒に生活することを諾としない久遠と和孝。
久遠の事情もあるし、和孝側の意地と拘りによるところが大きいんだろうけど。
いつか一緒に暮らせる日が来るはず!と信じて、先に進みます。
今回は久遠と和孝の電話のやり取りがとても好き。
「来いよ」の響きがめっちゃ甘い。
本格的にきな臭くなりそうな跡目争い。気になる~!

わかってはいつつも……
他の作業をしていて、
あ、今火止めるの無理!とお味噌汁を沸騰させることが稀にある私は
冴島先生に叱られると思う。
気にしなーい。(笑)
和孝の父と義母に関しては正直私の理解の範疇を越える。
病の治療をするのに何故今まで放置しつづけていた和孝からの言葉が必要なのだろう?

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「夢色十夜 3の巻」かわいゆみこ (パレット文庫)

5話収録。
ん?5話?
『夢色十夜』2巻までで6話。
3巻目に4話収録で計10話での完結かと思ったけど、1話多い。
その理由は最後まで読んで「あぁ、そうきたか」からの「え?そっち!?」。
夢と現の曖昧な境目。
自分の立ち位置の不明確さ。それがこの物語には相応しい。
落としどころがうまいなーと感心してしまった。
妖と人が関わる話よりも人と人が関わる話の方が好き。
故に、この巻の中では『横櫛』が一番好き。
玲子さんに自分で幸せを掴み取る強さがあったことが嬉しい。
どの状況下でも倉橋と鷹司が一緒にいることも嬉しい。
この二人の距離感最高だね。

漱石の『夢十夜』を読みたくなったんだけど……あれ?見当たらない。
持ってると思ったんだけどなぁ。
『坊ちゃん』しか出てこなかった。
『坊ちゃん』は全国47都道府県読書リレーをしようと思った時に買ったんだよね。
というか、私、47都道府県にちなんだ本集めたんです。
なのに、結局リレーしなかったという……わはははは。

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「ましろのおと」羅川真里茂

途中で手放してしまったので私の中で彼等の時間は止まってしまっていたけれども。
今回友だちにお借りして全巻一気読み。
津軽三味線を通して切磋琢磨しながら苦悩し、絆を深め、大きく成長していく若者たちの
人生を描いた物語。
青森は幼少期に住んでいたので、津軽の言葉の表記でイントネーションが懐かしく過ぎる。
そして迫力のある津軽三味線の音が響いてくるような紙面での表現力の素晴らしさに感嘆する。
彼等と一緒に笑ったり苦しくなったり嬉しくなったりしながらも、結局はじわりと染みる人の優しさに幸せな気持ちになれる作品。
大満足の読後。

コミックスを買っていた時に入手した特典のCDを聴きつつレビュー打っています。
これはこれで良いけれども、震える空気感とどーんと胸に響く音が堪能できるのはやっぱり生のステージ。
機会があったらまた聴きに行きたいなぁ。

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「夏くゆる好色男の宿」akabeko(ディアプラス・コミックス)

藤男が都内にマンションを持っていたことに納得。
そうだよねー。
そして美晴がヲタだったことにびっくり&ジャンルが違えど親近感。
大分行ってないけど、ビッグサイトの居心地の良さはわかってるよ!
セックスに関しては百戦錬磨なのに、恋愛となると不器用な藤男が
何だか新鮮だった。
個人的には志賀子さん、好き好き。
彼女の愛情はちゃんと藤男に伝わている。
だからこそハイエナ(笑)二人がタッグを組んだ温泉街再建系計画。
なんだかんだ実家のことをちゃんと考えてくれているのが嬉しい。
美晴と一緒に温泉旅館を盛り立てていって欲しい。


コミケ久しく行ってないなー。
本作ってないなー。
と、ちょっと懐かしくなってしまった。
春・夏ときたら秋・冬と続くのだろうか?
好きシリーズなだけに続いて欲しいなぁ。
akabekoさんの絵は特に好みってわけじゃないんだけど、
ストーリーがとても好きで新刊が出るたびに買ってしまう。

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「侵略者」福田和代 (光文社文庫)

読後にこみ上げてくる何とも言い難い感情。
それが何処から噴出してくるものなのかはわからないけれども。
少し軋むようなやるせないような、そんな想いに浸るのも悪くない。そう思える読後。
彼等側に気持ちが引き摺り込まれた感があるのは、作者の筆力の為せる業だ。
彼等の抱えた事情の深刻さがリアルで、絵空事とは思えなくなっていた。
だから置いて行かれたような気持になったのかもしれない。
戦闘機の訓練描写から始まる物語。
膨大な資金力があったからこその最新兵器。
ノアの箱舟に乗り込んだ彼ら。
安住の地は何処へ?

久々の福田さん。面白かった!
未読の他の作品も気になるけど、
お気に入りの『ブラックホークシリーズ三部作』、めちゃ再読したくなる~。

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「春うらら好色男の宿」akabeko(ディアプラス・コミックス)

たとえ今日がどんなにうまくいかなくても。
明日はうまく生きられるかもしれない。
一見するとちゃらんぽらんな藤男が「死にたい」と口にした美春に伝えた言葉。
藤男の過去を思えば、自分にそう言い聞かせて生きてきたのかな?
と思える深い意味を持った言葉。
せめて明日まで頑張ろう、という気持になれる気がする。
妙な出逢い。
身体からの関係。
居場所を見つけられずに孤独に苛まれていた二人がやっとみつけたお互いの居場所。
そこに親子関係の修復や旅館の立て直し等々が絡んできたもの良かった。
元AV男優を撃沈した天然のアンサー、恐るべし(笑)

「春は嫌いだ」とは、美晴の言葉。
私も4月が大嫌いだった。
大好きな人が逝って、父親が逝って、なんかいろいろ嫌なことがあって。
でも、友だちに言われたんだよね。
「私の誕生日月、嫌わないで欲しいな」って。
その言葉になんか救われた。
彼女のことが大好きだから。

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「VIP 蜜」高岡ミズミ (講談社X文庫)

サブタイトルが「蜜」。
前作のあとがきもあって甘々を期待したら……え?全然甘くないよ??と突っ込みたくなる前半。
とはいえ。
いきなり甘ったるい雰囲気になっても人格崩壊か!?となりそうな気がしてきたので、
やっぱりこの二人には今の時点ではこの距離が丁度いいんだろうね。
相変わらず言葉が足りてない二人。
和孝の久遠に対する意地と配慮が自身の状態を悪化させ、
結果お互いに満身創痍な痴話喧嘩。
でも、抱えたものを表に吐き出すことがストレス発散の一番の近道なんだと改めて知らされる。
その後の情事で互いに対する想いを言の葉に乗せる二人。
そうやって、距離を縮めていくといい。

2005年スタートのシリーズ。
そして2024年3月の新刊予約済。
長らく続くシリーズを書き続けてくれていることに感謝。

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「無能な皇子と呼ばれてますが中身は敵国の宰相です (3)」夜光花 (キャラ文庫)

好きシリーズなので期待して読み始めたけど、
期待以上に面白かった。大満足。
北方(謙三)イズムが徹底的に浸透しているので、
竜との戦いに挑む前に念入りに調べて準備してっていう過程にわくわくするし、
戦闘描写も臨場感あってどきどきする。
見事凱旋した後の帝国法改正への着手・根回しの仕方も興味深い。
そういう横槍入るだろうなぁ、と予測できたところからの先の展開に奮い立つ。
秘密の鍵を握る魔女探しにも余念がなく、シュルツとのややこしい関係の落としどころも気になるところ。
一番気になるのは反撃の狼煙をあげたその先の彼等がどうなるのか。次巻楽しみ。


個人的なベストシーンは子竜の誕生シーン。大好き。
リドリーには申し訳ないけど爆笑。
人語も解する子竜は頼もしい相棒に育ってくれるはずだよね。



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