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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「傭兵代理店」渡辺裕之 (祥伝社文庫)



男を窮地に追い込んだ15年間に渡る因縁の決着の物語であり、
追いつづけた過去を清算した男の始まりの物語でもある。
一人では打開できない困難な局面も、
協力し合えば乗り切れる。
一匹狼的な傭兵たちが「傭兵代理店」を軸にして
チーム戦を展開していく、という発想がおもしろい。
警察と連携しながら犯人を追う前半は楽しく読んだものの、
アクション展開に突入した後半はなんだか失速。
とはいえ、キャラはそれぞれ魅力的で、今後の彼らの在り様がとても気になる。
シリーズを読み進めるかどうかは続刊次第かな?
本作がデビュー作。伸びしろはたくさんあるはず。
ハマれるといいなぁ。

はじめましての作家さん。
著者は俳優の渡辺裕之氏と同姓同名か……と、思ったら。
著者の渡辺裕之氏は、偶然同姓同名の俳優の渡辺裕之氏と知り合う機会があり、
彼を主人公にした作品はどうかと会話が盛り上がってのこの作品の誕生だとか。
アイディアってどこから降ってくるかわからないね。

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「コンビニたそがれ堂 」村山早紀(ポプラ文庫ピュアフル)



単純に相性の問題だと思うんだけど。
特に何かが琴線に触れることのないままサラリと読了。
姪っ子ちゃんにどうかな?と思って読んでみたけど、
こうなると書評がどれだけ良くても勧めにくくなってしまう。
誰かにお勧めする本は自分が読んで面白かった本、というのが大前提。
読後の感想を語り合うところまでがお楽しみだったりするからね。

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「彩雲の城」尾上与一 (Holly NOVELS)



【再読】
その先に可能性がほんの僅かでもあるならば。
生きることを諦めてはいけないのだと。
彼らはその身で語っている。
「生きるというのは、自分の思い通りにすることだ」
自分の自由意思で明日を決める事すらままならなかった戦時下での
藤十郎の言葉。
そこに暗に含まれた意味もふまえて、胸にストンと響いてくる。
赴任してきたころは生きることを諦めたかのようだった伊魚からの寄り道の提案が、
二人の未来を切り開いたことが、ただ嬉しい。
不遇な境遇も、二人が出会うための布石。
出会えたことは唯一無二の幸せ。
結末を知っているからこそ、
初読の時とは全く違った想いを抱きながらの読了。


「待ち合わせは靖国で」
胸が締め付けられるような彼らの約束。
近くを何度も何度も通りながらも一度も訪れた事がなかった靖国神社に、
この作品を共読しているお友達と行くことができたことに感謝。


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「くちびるに歌を」中田永一 (小学館文庫)



ドキドキハラハラしたり。笑ったり。思わず涙ぐみそうになったり。
心揺さぶられる、とても楽しい読書時間だった。
15歳。
海に囲まれた美しい島で、多感な時代を共に過ごした仲間たち。
素直な思いを吐露した彼らの手紙が刺さったなぁ。
それぞれ心に悩みを抱えながらも、
一つの目標に向かって一致団結して向き合う姿の素晴らしいこと。
幾つもの困難を見事に乗り越え、ゴールにたどり着いた彼ら。
出来すぎだと思いながらも、その先にあったラストには心が震えた。
いつかはバラバラになっても。
そこで得たものは、彼らの一生の宝物になるだろう。



1985年のつくば万博の「ポストカプセル2001」という企画で、16年後の2001年の誰かにあてて当時の自分が書いた手紙を配達してくれるという企画があって。
私は自分にあてて投函していた手紙を受け取りました。
で、すごかったのは、当時の弟の担任の先生が
受け持ちの生徒ひとりひとりにあてて手紙を投函していたこと!
忘れたころのサプライズ。

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「線は、僕を描く」砥上裕將 (講談社文庫)



内面にどんなものを抱えていたとしても。
命ある限り、人は生きていかなければならない。
だったら。
空っぽのまま虚ろに生きるよりも、
ほんの少しでも満ち足りた人生であるといい。
水墨画=篠田湖山との出会いは、
霜介にとっての人生の分岐点。
と同時に、千瑛にとっても重要な分岐となる。
こうやって人は互いに影響を与えながら繋がっていくんだね。
作品の内容全てが込められたタイトルに唸る。
タイトルが先か、結末が先か。
ちょっと気になってみた。
水墨画の美術展ってあるのかな?
あったら迷わず観に行きたい。
と思ったお借り本。


最近、硯の伝承産業会館を訪れて色々な硯を見てきたばかりだったので、
なんだかタイムリーだなーと。
墨をする作業がちょっと懐かしい。
個人的に西濱さんと斎藤さんがお気に入り。
なので、ウキウキ映画の公式サイトを見に行って、
なんか違う……と、帰ってきました(笑)

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「パパと親父のウチ呑み 2」豊田悠 (BUNCH COMICS)



作ってみたい……というより、食べてみたいレシピが盛りだくさん。
呑みたい大人だけが楽しいんじゃなくて、
子どもたちもしっかり美味しく楽しく!という雰囲気がとてもやさしくてあたたかい。
先日グレープフルーツスカッシュを作ろうと思って百均で買ってきたグレープフルーツ絞り器。
華奢だなー、大丈夫かなーと思って絞ってみたら、案の定、力入れすぎたのか壊しました(笑)
スペアリブは作ったことないので、チャレンジしてみたい。
初めて食べたスペアリブは友だちが作ってくれて、
その時はコーラで煮てました。
お肉とコーラが同居できることを初めて知った衝撃。
美味しかったなー。


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「屑の結晶」まさきとしか (光文社文庫)



いたたまれないほどにやるせない思い込み。
けれども。
それが彼が生きていくための支えだった。
大人になり切れなかった、悲しいほどに幼い魂。
彼の世界はあまりにも狭く、孤独で心許ないものだった。
彼の世界に色を添えたのは、母からの呪縛を拭いきれなかった彼女。
そんな彼女との一方的な約束がとても哀しい。
それでも、彼女はその想いを彼に託し、彼は受け止めた。
プロ意識を逸脱した弁護士。
それ故、彼女は生涯において重荷を抱えることになるだろう。
けれども。
それが彼女の選択。
どうしてこうなってしまったのだろう?
そんな問いかけに答えを知る者は、多分いない。



帯に「号泣」とか「泣ける」とか「涙がとまらない」と書かれた時点で、
まず気持ちがスッと冷めます。
いや、そんなのこっちの受け止め方だし?
決めつけられるのも、ちょっと……と。
いろんな先入観とか余計な情報は一切なしで読みたい派。
私の感情は私が決める。

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「猫だまりの日々 猫小説アンソロジー」 (集英社オレンジ文庫)



猫にまつわる小説が5編収録されたアンソロ。
ファンタスティックでありながら、こうあったらいいな、
と思えるような作品ばかり。
個人的なお気に入りは2作品。
谷瑞恵さんの『白い花のホテル』
途中で「ん?」というひっかかりがあって。
誰目線の想いなのかがわかったうえで読み進めていくういに
思わずホロリとさせられてしまった。
「帰ろう」という決意が刺さる。
一穂ミチさんの『神さまはそない優しない』。
短編でこの読みごたえはすごいわ。
たとえ神さまは優しくなくても。
弱さと不器用な優しさを抱えて生きる彼らが悲しくていとおしくて。
泣けて仕方なかった。

サラッと読める本を、と軽い気持ちで手に取ったけど、
思っていた以上に良かった。

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「ルドヴィカの騎士 ~奇跡の泉・銀~ 」尾上与一(CROSS NOVELS)



『奇跡の泉・金』と対になる『奇跡の泉・銀』。
二冊にプラスしてコミコミ特典の小冊子までで完璧なエンド。
この小冊子、とてもとてもよかった。
芯はしっかりしているんだけど、
幼さのぬぐえないマティアスが
私の好みとはかけ離れすぎていて感情移入しきれず、
終始俯瞰して読み進めた感じ……かな?
作品の構成自体はしっかりしていて、二段組みのボリュームを一気に読みきったけど、
私の盛り上がりポイントは小冊子だった。
うん。
四人の中では私、ヨシュカが一番好きだったみたい。
という気づきがありました。

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「パパと親父のウチ呑み 1」豊田悠 (BUNCH COMICS)



シングルパパだってたまには呑みたい!
だけど、幼い子供を置いてor連れて呑みに行くのは無理!
そんな彼らが選択したのは、酒の肴を自作しての家呑み。
いいね~。
どれもこれも美味しそう。
家で料理を作る時は、時々新メニューへのチャレンジをしつつも、
基本的には自分の作れるレパートリーの反復。
だから自分以外の人が作ってくれる料理は、
自分がチョイスしないメニューが出てくるから嬉しいね。
ハムカツ久々に食べたいなぁ。
でもこれ、家で作ったことないわ。
幾つになっても友だちとにぎやかに食卓を囲むのは楽しいね。

ウチは誰かの得意料理はその人に任せて
自分は手を付けない、という暗黙の了解がありました。
だから私は、中華飯が得意だった妹が家を出てから
彼女の作った中華飯が時々食べたくなる。
ちなみに私が作るものとみなされていたのはカレー。

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