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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「風と共に去りぬ (3)」マーガレット・ミッチェル (新潮文庫)



戦争は、昨日までの生活を一瞬で破壊する。
戦火の中、母の元で庇護されることを願い、
決死の思いで故郷に帰ってきたスカーレットを迎えた悲劇。
そこには頼れる者はなく、自力で現状を切り抜ける以外生き残る術はないのだと、
悟ってからの彼女は目を瞠るほど強かった。
土地に固執する描写はこの物語のポイント。
最後のスカーレットの決断は嘘を口にした時点でいい感じはしないけど、
誰もが協力的ではない中で
生死がかかっていることを思えば仕方ないかな、とも思う。
むしろその決断力すごい。
レットがスカーレットの策略に簡単に嵌らないのが好き。





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「花屋に三人目の店員がきた夏 毎日晴天! 18」菅野彰 (キャラ文庫)



16歳だった子どもたちは20歳を過ぎ、大人たちも同じだけ歳を重ねていく。
作中で流れた時間の分だけ彼らは思い悩み、ぶつかって、気持ちを寄り添わせ、
そして一人の人間として成長してきた。
それがしみじみと感じ取れる18巻。
想う相手を理解しようと懸命に心を尽くす彼らの姿がいとおしい。
時々ね。そんなにめんどくさく考えなくてもいいんだよ?と思う時もあるけど、
投げかけられる言葉や思考に抉られる。
そのたびに、疎かにしてはいけないことがあるのだと知らされる。
龍がこの町で踏ん張り続けたことが嬉しいし、
勇太がこの町に馴染んでくれていることが嬉しい。
そしてどうしようもなく気になる真弓の就活。
まだまだ目が離せません!

『機龍警察』『シグマフォース』『毎日晴天!』その他諸々。
ジャンルも国も問わず、楽しく読み続けることのできる長編がいろいろあることが
とても嬉しい。
最後まで並走する気満々なので、皆様くれぐれもご自愛ください。

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「色悪作家と校正者の別れ話」菅野彰 (ディアプラス文庫)



愛しすぎたが故の別れ話。
蔵書多い問題からの同棲トライアル。
そんな彼らと一緒になって
公私を分けられない状況に慄き、
互いの頑固さにもどかしくり、
話の噛み合わなさに笑って、
愛情の深さにウルっとなって切なくなって。
で、え、結論そこ!?って驚いて、
だけど、この二人ならそうだよね、と、
しみじみ納得しての読了。
大吾からの正祐を慮る言葉も良かったし、
自分の想いを懸命に大吾に伝えようとする正祐も良かった。
時間をかけてゆっくりと育んでいく愛情の尊さを垣間見た気がして、感慨深い。
続きもスピンも楽しみに待ちます。


無限の書庫。いいなー、私も欲しい。
私が同一の作品で複数冊所有している本は単行本と文庫と、形態が異なる場合においてのみ。
あとは新装版で描き下ろしが入っている時。
他は全て一作品につき一冊ずつ。
例外が太宰の『人間失格』。
これは文庫本の装丁をいろいろと変えてきた新潮文庫の戦略(?)にやられました。(笑)



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「シグマフォース シリーズⓍ Σ FILES〈シグマフォース〉機密ファイル」 (竹書房文庫)



シリーズ初の短編集+徹底分析録。
それぞれの短編がシリーズの間を埋める構成になっているのが面白い。
野生のマンドリルと向き合うコワルスキもボクサーパンツ一丁の裸族。
そうなった理由がアホすぎる。
でも、彼がシグマに入るきっかけが知れたのは良かった。
セイチャンらしからぬ失態から始まった物語は、彼女らしい幕引きに。
目には目を。やっぱりハンムラビは偉大だ。
そして「仲良しは誰だ?」のタッカー&ケインが大好きです。
可愛いなぁ。
後半の分析録は既刊の内容の復讐。
というわけで、このシリーズは発刊順に読んでいくのがおススメです。

私はシリーズ途中から新刊を買って積み、買って積み、で読まずに放置していた結果、
この『機密ファイル』は買ったつもりで実はスルッと抜けていたことに
読友さんたちのレビューで気づいたのでありました。
共読ありがたい♡

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「機龍警察 白骨街道」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



<敵>が蠢くその場所は、黒よりも深い闇色で、
醜悪極まりないものだった。
巧妙に仕組まれた罠により
海外の劣悪な環境下での戦いに身を投じぜざるを得なかった姿たち。
警察を、ひいては日本を蝕む悪を暴こうと奔走する刑事たち。
彼らと共に六道を巡りながら、
過去の日本の過ちと、現代社会が内在している問題を突き付けられる。
外に目を向け、情報を拾い、考えることを放棄してはいけない。
空しい。でも無駄ではなかった。
悔しいけど、そう思うしかない幕引き。
嫌いにならないで。
この国を。
そしてここにきてまさかの第四の男の登場。
この物語から、どうしたって目が離せない。

今回のヒーローは間違いなく關だと思う。
半端なくカッコイイ。
だけど私は姿推し。
「お、きっと狂喜乱舞の8月となるよ♡」
相思相愛な読友さんの言葉は間違ってなかった(笑)
読み終わってすぐに読み返したい。
そんな衝動に駆られる作品。
好きすぎてやばい。

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「風と共に去りぬ (2)」マーガレット・ミッチェル (新潮文庫)



可愛そうなのは私。
愛されるべきは私。
自分のために自由気ままに生きてきたスカーレット。
けれども。
頼れる存在はもはやおらず、
その双肩に他者の人生もがかかっていることを自覚した時、
彼女の娘時代は終焉を告げる。
そこまでの過程が丁寧に描かれていた二巻。
メラニーや子どもたちを抱え、戦いで混乱を極めた道中をひた走り、
タラへと帰り着くまでの描写が圧巻。
とはいえ、メラニーを最後まで見捨てなかったのも、
純粋にメラニーの為と言うよりも
アシュレとの約束を違えることを恐れる自分の為だったところが彼女らしいと思う。


南北戦争に関する描写が思っていた以上に克明に描かれている。
戦力外としか思えない老人や少年たちまでもが戦場に向かっていく姿が印象深かった。
【ガーディアン必読111-2/1000冊】

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「緑土なす きみ抱きて大地に還る」みやしろちうこ(リブレ出版)



山野で独り生活してきた足弱にとって、
多くの者に傅かれ、王族として生きていく覚悟を決めるためには
一度原点に立ち返る必要があったんだろうなぁ。
戻った故郷で知った忌まわしい過去の真実。
彼を山で育てた老人の王族に対する悪意が気持ち悪い。
愛情をもって育てたなら、きちんと名前をつけたはず。
一方で、敵地にじっと身を潜めて「その時」に備えていた灰色狼の王族への献身は
ただただ素晴らしい。
報われて良かった。
九死に一生を得たレシェは……うん。やっぱりケダモノだった(笑)
まぁ、足弱が愛を自覚して受け止めてるから良いのかな。

二段組で400頁近いと、
感想も何処から切り取っていいか迷う。
世界観が緻密に作りこまれているから、
矛盾なく展開して、ぐっと引き込まれていくんだろうなぁ。




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「風と共に去りぬ (1)」マーガレット・ミッチェル (新潮文庫)



スカーレット・オハラ。
彼女の燃えるような生命力の源は、不平不満と怒り。
意に添わぬ境遇に陥った理由は、想像力の欠如と短絡的な思考。
だけど、世の中を逞しく生き抜いていく力強さを感じ取れる。
近くにいたらめんどくさいだろうなーと思うけど、
そんな彼女の生き生きした姿に惹かれるレッド・バトラー。
映画を観たのはもうずいぶん前だけど、
登場人物たちの姿がリアルに脳裏に浮かび上がって、とても楽しい。
作中では時代背景の描写も丁寧に描かれているので、
南北に分断された当時のアメリカ社会の事も知れて興味深い。
次巻も楽しみ。

【ガーディアン必読111-1/1000冊】
「土地こそは、この世の中で存在するただ一つのものだぞ」
一巻冒頭のこの言葉から、映画のラストシーンを思い浮かべる。
そしてレッド・バトラーがとても好きだった私は、
今から胸が痛い。ってか、泣きそう。
レビュー打ちながら「タラのテーマ」を聴いてなんだか感無量。
いや、まだ5巻あるうちの1巻を読み終わっただけですけどー!



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「セクシー田中さん」芦原妃名子

セクシー田中さん


今の自分を変えたい、と思ったら、
何か行動を起こさないといけない。
何をするかは人それぞれ。
田中さんの場合はベリーダンス。
打ち込めるものを見つけて、努力を続ける彼女の姿は魅力的。
居場所があるって心強い。
自分模索中の朱里はそんな田中さんに夢中。
人の内面をちゃんと見る目を持ってるってことだよね。
猫被ってない素の朱里が可愛い。
無自覚無神経で理想の女性像の追及に余念のない笙野と、
素の朱里にドキドキするチャラリーマン小西。
こっちも無神経な気がする進吾と
人たらしなマスター三好。
彼らの関係がどう展開するのかとても楽しみ。

田中さんよりももっと若かりし頃の私も、自分を変えたくて、
こんなふうに変わりたいと思う自分に近づきたくて、
頑張った覚えがあるなぁ。
主観的にだけど、ある程度は近づけたと思ってる。
生きるのが楽になったから。



女子にとっては「真壁くん」なら男子にとっては「浅倉南」。
ああ、例えがわかりすぎる世代です。
内面が掘り下げれればられるほどなんだか愉快な笙野。
無神経でも自分の言動を振り返って反芻することができるのは
凄いと思うよ。
着地点が究極の勘違いだったことが笑える。
チャラ男かと思った小西は堅実なアドバイスができる人。
素の朱里にときめく小西が愉快。
そして田中さんの悩みを受け止める朱里は大人びててカッコいい。
彼女も苦労しながら生きてきたんだなーと思わせる過去はなかなかシビア。
なんだかんだ一生懸命生きている彼らに好印象しかない。



表紙でかっこよく決めてる笙野の懊悩にひたすら笑って読了。
いい。
この人、とても良い。
変わろうとする姿も好ましい。
そして小西の笙野に対するアドバイスが説得力あって良いなーと思う。
この二人の友人関係、素敵。
私小西には朱里とくっついてもらいたいんだけど、
進吾が朱里にどう関わってくるかちょっとドキドキ。
そして一方的に笙野につかっかる朱里の一人バトルが愉快。
小西が間に入ることで、ちょっとは歩み寄れるのかな?
お友達ができて喜んでいる田中さんがとても可愛らしい。
彼女の恋が誰とどの方向に向かっていくのか。
気になる~。

「私のこれからの人生の中で、今が一番若い」
と言う田中さんの言葉に、何故か
「(風化が進む一方なので)今のこの状態が軍艦島で一番良い状態なんです」
というガイドさんの言葉を思い出した。
もう一度行きたい軍艦島。


「田中派」の朱里と笙野のコンビがとても愉快。
田中さんと絡めば絡むほど笙野は人間味が出てきて魅力的(?)になるし、
朱里は年下にもかかわらず頼もしくて心強い。
そんな二人や周囲と関わりあうことによって田中さん自身も少しずつ変わっていく。
朱里も内に抱えた鬱屈が晴れるといいな。
そしてド迫力の愛子先生。
「人を魅きつけるのはエネルギーだ」
その通り!という魅力を還暦を越えて体現している人。
終始楽しくて、笑いながら読んでいて、
なのに最後の最後でちょっとぉぉぉ!という爆弾落とされて次巻へ。
え?気になりすぎるんですけどー。(涙目)

気になりすぎて続きが掲載されていたら発売中の雑誌を買う気満々で検索かけたら
連載がお休みだった。
ぬおっ!?うそでしょ!?とジタバタして冷静になってみました。
うん。
次巻を大人しく待とう。いや、待てるか?←葛藤中(笑)

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「緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼」みやしろちうこ(リブレ出版)



好き好き大好き言ってれば、何したって許されると思わないでよ?
という思いが途中まで抜けずに、
私の評価が底辺だったレシェイヌ。
とはいえ、彼の立場や置かれた環境を想えば、仕方ないのかな?
でもそれは人としてどうよ?
あれ?彼、人じゃない??
王族が愛し合うことによって土地が肥える。川の水が綺麗になる。
彼の孤独を知り、そのあたりの世界観を汲み取ったあたりから面白くなってきました。
とはいえ、ワンパターンな濡れ場には飽きてきて、そこは斜め読み。
不自由なく暮らせる立場にありながら、
自分にできる事を模索する足弱の佇まいは好印象。
色々気になるので次巻へ!

この物語で特筆すべきは<灰色狼>の皆々様の存在。
王族に仕えることに生きがいを見出し、
かいがいしく二人のお世話をする様がとても楽しい。
というか、仲間内での相談内容がとても愉快。
表紙もイラストも綺麗で、4冊表紙が見えるように並べて飾りたい。
無理だけど(笑)

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