きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「エス-咬痕-」英田サキ(SHY NOVELS)
【生きてて何が一番辛いかっていうと、
自分の居場所がみつからないことなんだよね】
理屈では説明できない想い。
その場にならなければわからない衝動。
抱えた過去。息苦しい現在。
見失いかける自分。
それでも人は、明日に向かって生きていく。
魂をすり減らして潜入捜査に打ち込んだ永倉の歪んだ想い。
自らの気持ちの在り方に惑い、そして苦悩する椎葉の想い。
そんな椎葉の気持ちに真正面から向き合った宗近。
苦悩の末の椎葉の選択は、二度目の誓い。
そして、悲壮で、だけど揺るぎのない決意。
苦しい関係の続きそうな二人の未来だけど、宗近の度量の広さに縋りたい。
垣間見れた篠塚の厳しさと優しさは、好ましいものだった。
おまえは強い。
そう言われて、頑張れる場合もあると思う。
だけど、そうじゃない、と、叫びたい場合もある。
強いわけではない。
強く在るしかなかった。
だけど、たぶん、それでいい。
押し隠した弱さは、触れないままでいい。
偽りの強さが、いつか、真の強さになる日を信じて。
内容(「BOOK」データベースより)
警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。大物ヤクザである宗近をエスとし、自分の身体を餌に情報を得る椎葉に、ある日、上司から命令が下った。それは同僚の刑事である永倉の援護をするというものだった!刑事とエス。それは運命を共有する関係でありながら、決して相容れない存在でもある。孤独に生きる男たちの歪で鮮烈な愛の物語。
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