きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「隣人は二度チャイムを鳴らす」中原一也(シャレード文庫)
出逢えたことで、再び「生きる」ことに意味を見出した二人。
手を伸ばしたことで、闇に堕ちる寸前で「間に合った」二人。
少しずつ距離が縮まっていく二人の間に差し挟まれるアイテムが
食事だったり、6缶パックのビールだったり、散らかった部屋だったり。
ありふれた日常の光景なのが安心感満載でとても好き。
過去に負った心の傷の癒えない坂梨を受け止める
青柳の懐の深さというか、包容力の大きさが半端なくカッコいい。
だからこそ、凶器を手にするに至った闇の深さに胸が痛んだ。
そこから青柳を引っ張り出した坂梨の叫び。
「ご飯食べましょう」で私の張りつめていた想いが安堵に変わりました。
うん。日常の営みって大事!
笑顔が戻った二人に胸をなでおろして読了。
え?そこ、許すって言っちゃうんだ?というのが個人的引っかかりポイント。
ものっすごくイラっとした一場面。
人の気持ちに絶対なんてなくて。
好きで好きで付き合いはじめたって、別れるカップルは山のようにいる。
だから、別れたこと自体が問題じゃないんだよね。
納得いかないのは元カレのやったことっていうか、言ったことっていうか。
彼の場合、そこ、人としてどうなの!?という部分で根本的にダメだと思うのです。
とりあえず元カレがいなかったら成立しない話ではあるので、
存在は許容しますけど。←上目線(笑)
ないわ~~。
とはいえ、この作品自体はとても良かった。
内容(「BOOK」データベースより)
死んだように、生きていた―。辛い失恋の痛手を抱えたまま静かに生きていた坂梨の前に、青柳という一人の男が現れた。隣の部屋に引っ越してきた青柳は、坂梨の気などお構いなしに生活の中に入ってくる。ぐうたらでだらしなさそうに見えるが、うまく距離を計りながら少しずつ歩み寄ってくれる青柳と過ごす時間は、次第に坂梨の心を解していく。だが、親しくなるにつれて坂梨の抱えるトラウマが疼く。過去と未来の狭間で葛藤する坂梨だが、ある夜、青柳にキスをされて…。
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