きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「蒼い海に秘めた恋」六青みつみ(ガッシュ文庫)
寂寞と諦念の滲んだとても綺麗で澄み切った想い。
だけど、核になる部分はとても強くて。
まっすぐに向けられたその想いは揺らがない。
モニタに映し出された、会ったことのないグレイの姿に焦がれる程、
追い詰められていたショア。
焦がれた場所に決死の想いで辿りつけはしたけれども。
言葉を封じられてしまった人間は、どうやってその想いを伝えればいいのだろう?
ショアのいじらしさと健気さに胸が痛んで仕方なかった。
何もわからぬまま苛立つグレイに理解してよ!と望むのは、多分酷だろう。
でも、非難めいた想いを向けたくなってしまう。
だからこそ。
二人で迎えたラストに心の底から安堵するのです。
彼にはあの子を惜しむ権利も、もう一度その腕に抱きしめる権利もない。
手放したのは、自分自身の咎なのだから。
だから私からの言葉は「お馬鹿さんなエリィ」。
ふふ。だけど続編も大好きなのです。
藤さんのイラストが作品の内容と絶妙なマッチング。
何度読んでも切なくて泣ける……でも、大好きな作品です。
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