きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「さらば長き眠り」原尞 (ハヤカワ文庫JA)
シリーズ第一期完結に相応しい集大成。
前巻から経過した400日の時間の分だけ、
沢崎の、そして周囲の人たちの歩んだ人生の軌跡がある。
それが垣間見れたことが、彼をより身近に感じられて嬉しい。
再び事務所に戻った戻った沢崎に持ち込まれた依頼。
彼はただ、真実を追求しようとしただけ。
本当のことを知ろうとした彼は、たとえ、それを暴くことによって
傷ついた人がいても、重荷に感じる必要はない。
それは、彼の咎ではないのだから。
だけど、どうしても振り払えない寂寞。
最後まで気を抜くことを許さない面白さ。
そして、添えられた僅か十数頁の短編が相変わらず絶妙だった。
警察、そこちゃんと確認するよね?
と、突っ込みたい部分がひとつだけあったけど、
それが些細な事と思えるくらい、読み応えのある作品でした。
淡々と己の仕事に取り組む沢崎が渋くてかっこいい。
ヤクザの橋爪たちとの関係は、相変わらずどこか愉快。
まぁ、そんなこと言ったらどちらからも嫌な顔されるんだろうけど(笑)
時間は淀みなく流れている。
短編までを読み、改めて、そう思わせてくれた終幕。
たゆたう流れの先で、また会おう。
そんな期待を込めて、頁を閉じる。
PR
COMMENT