きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「そして夜は甦る」原尞(ハヤカワ文庫JA)
いい。これはいい。
緻密なプロット。硬質な文体。
謎解きが二重三重に展開されていく物語。
何より、登場人物が魅力的。
それぞれの人生があり、それぞれの言い分があり、それぞれの生き様がある。
事件の顛末と共に、それらをみっちりと書き切った正統派なハードボイルド。
「愛情や真実や思いやりのほうが、
憎しみや嘘や裏切りよりもはるかに深く人を傷つけることを考えていた」
この物語に漂う哀愁を説明するのに、これ以上の言葉はないような気がする。
幸せが手にできたのに。
自らの行為で取りこぼしてしまった名緒子。
なんでかな?理解できないよ。
女として、ちょっと淋しい。→
チャンドラーを呼んだ後に原尞、というのが、なんだか運命的。
チャンドラーに心酔している作家さんなんですね。
佐賀県出身というのも運命的。
北方御大と同じじゃないですか。
「あとがきに代えて」は遊び心満載で面白かった。
著作を追いかけるのが楽しみな作家さんに久々に出会いました!
わー、楽しみ!
内容(「BOOK」データベースより)
ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。西新宿に探偵事務所を構える沢崎が立ち向かう難事件の背後には巨大な陰謀が隠され、鮮やかなラストシーンに向って物語はスピーディに展開してゆく。レイモンド・チャンドラーに心酔する、ジャズ・ピアニストの著者が2年の歳月をかけ完成させた渾身の処女長篇。いきのいい会話と緊密なプロットで贈る、期待の本格ハードボイルド登場。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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