きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ぼくのメジャースプーン」辻村深月(講談社文庫)
【これはぼくの闘いだ】
主人公の「ぼく」が自分の持つ特別な力をつかって、
同級生の女の子の心とうさぎを壊した男と対峙する物語。
その能力を正しく使うべく、同じ能力を持つ先生から力の使い方についてのレクチャーを受けるぼく。
必然的に読み手も一緒に対話を繰り返していくことになるわけで、
それが、若干くどいなーと、感じる部分もあるんだけど、
その過程があるからこそ、ぼくの下した決断に衝撃を受けることになる。
社会的には罰せられることのなかった男と対峙した、小学校四年生男子の覚悟と決意に。
そして衝撃と共にやるせなさにで胸が痛くなる。
一生懸命ふみちゃんのことを気遣っていたぼくだって、傷ついていないはずがなかったのだ。
「よくがんばりました」
先生からのその言葉は、ぼくにとって救いだったと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に一度だけ。これはぼくの闘いだ。
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