きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「わだつみの楊貴妃・中編 炎の蜃気楼11」桑原水菜 (コバルト文庫)
いっそ手放してしまえと、叫びたくなる。
それができないことがわかっているから、彼らと一緒にもがき苦しむ。
「腹心」としての直江は引く手数多。
こんなにも有能な男が、絶対君主の前ではただの雄に成り下がる。
だけど、そうじゃない。
そう、決めつけているだけ。直江自身も、そして高耶も。
「目が見えないのか?」ではなく「オレが見えないのか?」と叫んだ高耶。
その言葉に色々な想いが凝縮されているのに。
力を封じられても尚、戦う気概を抱き続けた景虎の起死回生の一撃。
燃え盛る炎の中で告げられた直江からの訣別。
迸った叫びこそが、景虎の本心。
『最上』の在り方……この言葉には涙しかない。
「元春様。小早川隆景様から電話が入っております」
戦国武将のもしもし電話。なんだろう?この気の抜けるようなやりとり(笑)
唯一和んだ瞬間だった。
ミラージュは読んで泣く。わかってても泣く、の繰り返し。
一緒にこの物語を読んできた友人達とは
「うちら、10代20代、ホントダメな男(=直江)に振り回されたよね」と
笑いながら言い合っていますが。
いまだって振り回されてます。←自慢できない。
吉川元春が好印象なのは、この巻があるから。
萩城址はとても素敵なところでした。
内容(「BOOK」データベースより)
大破した船から投げ出された高耶、直江、風魔小太郎は、瀬戸内海の小島に漂着していた。身を呈して高耶を守った直江だったが、その目は光を失ってしまっていた。信長を討つため、毛利、一向宗と手を組もうとする小太郎に、高耶は激しく抵抗するが、直江を人質に取られ、毛利の本拠地へと連れ去られてしまう。一方、大和の謎を追っていた綾子たちは〈楊貴妃〉に会うため、秋芳洞へ向かうが。
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