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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「少年は残酷な弓を射る 上 」ライオネル・シュライヴァー(イースト・プレス)



刻々と近づく運命の『木曜日』。
母親であるエヴァ視点で語られていることを差し引いても、
父フランクリンのケヴィンに対する接し方には首を傾げざるを得なかった。
ありのままの息子ではなく、理想の息子を見続けたフランクリン。
だったら、ここにいる「自分」は誰?
父の愛情が誰に向けられたものなのか、わからなくなって当然だろう。
エヴァは本当のケヴィンを知っていた。
そして、ケヴィンはエヴァの本質を見抜いていた。
多分、理解しあえた二人に足りなかったものは何だったのだろう?
「愛情」という言葉だけでは片付けられないものがそのこはある。
絶望からの再スタート。
疲れ切った彼らの旅は終わらない。

シーリアと同じ年の姪がいるだけに、彼女の身に降りかかった出来事は本当に辛かった。
後半、泣きながら読んじゃったよね。
タイトルの意味が分かった時には、絶望的な気持になってみました。
重くのしかかるものが半端なくて、だけど読み進める手も「何故?」と問いかけ続ける思考も止まらなくて。
かなりヘヴィ―な読書だったけど、出逢えて良かった一冊がまた増えました。


内容(「BOOK」データベースより)

16歳の誕生日の3日前、“事件”は起こった。異常なまでに母に執着する息子と、息子を愛せない母。二人が迎える衝撃の結末とは―?100万人が戦慄した傑作エモーショナル・サスペンス。2005年英オレンジ賞受賞作。

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