きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「キング」堂場瞬一(実業之日本社文庫)
多分、それは最後のチャンスだった。
彼らの希求したものは、ただひとつ。
誰よりも早くゴールを駆け抜けること。
だが、勝者たりえるのはたった一人。
ベテランの域に差し掛かった、同年代のマラソンランナーが三人。
勝利を勝ち取るために彼らの選んだ手段は、三者三様だった。
早さを追い求める彼らの姿勢が鬼気迫っていて、とても苦しい。
何故そこまで?と問う資格は、レースに参加していない私にはないだろう。
置かれた環境に差があるのは当たり前。
結局は、手段はどうであれ、自分がどこまで頑張り通せたか、
そして「勝ちたい」と渇望できたのか、ということ尽きるように思う。
付け加えると。
だからといって、私自身はすべての手段を容認するわけではない。
内容(「BOOK」データベースより)
五輪男子マラソン代表・最後の一枠の選考レースまで四か月。日本最高記録を持ちながら故障に泣き、復活を期する天才・須田が最有力とされる中、優勝経験がなく“万年三位”の青山に正体不明の男が接触、「絶対に検出されない」ドーピングを勧めてきた。青山は卑劣な手段を一旦は拒むが…。ランナーたちの人生を賭した勝負を活写する傑作長編!
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