きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「トワイライト博物館」初野晴(講談社文庫)
【諦めず前を向くこと。精一杯足掻くこと】
厳しさと切なさと優しさが随所に詰まった物語は、
自分じゃない誰かのために、命がけで頑張った人たちの物語。
一人じゃ頑張れない。だけど、二人なら頑張れる。
信頼できる博物館の仲間達もいる。
焦燥に追われながらも手を繋ぎ、対話し続けた枇杷と勇介。
恐怖の中で励ましあい続けたナナとアルドゴンド。
彼らの必死さが伝わるからこそ、
迫りくる運命を受け入れ、ナナを離したアルドゴンドの決意と、
それをただ見守ることしかできなかった二人の思いに胸が苦しくなる。
だけれども、物語の根底に溢れるのは愛情。
それでも、前を向いて歩いていく強さ。
優しさに胸が締め付けられるような読後感が大好きです。
内容(「BOOK」データベースより)
大伯父が遺した博物館は、時間旅行の秘密の実験場だった。天涯孤独になった勇介は、過去を彷徨う大切な人の魂を救うため、危険な旅路に出る。パートナーは青い瞳の不思議な学芸員枇杷。「命綱」は固くつないだ手。この手が離れれば二度と現代には戻れない。過酷な旅が今、始まる。新感覚ミステリー長編!
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