きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ユリゴコロ」沼田まほかる(双葉文庫)
【弟がこれからも弟であり続けるように、
この人もまた、僕の生涯を通じてもうひとりの母であり続けるだろう】
家族の在り方を書いた物語。
そして熱烈な愛の物語……だと思う。
実際は従兄弟である兄弟が、お互いを兄であり、弟であると認めているという
心情が描かれているシーンが好きだったなぁ…
「家族」という括りに対する自論は、血の繋がりより共に過ごした時間の記憶と関係性。
この兄弟の在り方と、命の期限が差し迫った父親と、施設にいる祖母との係わり方が
なんだか好きだった。
殺人の衝動に取りつかれた女でも、愛し続けた父親。
「好き」という想いは理屈ではなく衝動。
だから、彼女と最期を一緒に添い遂げられるのは、彼にとってはこの上なく幸せな末路なのだと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいったい何があったのか―。絶望的な暗黒の世界から一転、深い愛へと辿り着くラストまで、ページを繰る手が止まらない衝撃の恋愛ミステリー!各誌ミステリーランキングの上位に輝き、第14回大藪春彦賞を受賞した超話題作!
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