きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「一鬼夜行 花守り鬼」小松エメル(ポプラ文庫)
いつの時代も変わらずに咲き誇る桜の花。
ヒラヒラと舞い踊る蝶。酒を酌み交わす人々の喧騒。
ありふれた光景に身を置きながら、あちら側とこちら側を行き来する
不思議な浮遊感。
行きつ戻りつしながら垣間見られるのは綾子の過去。
美雪の想い、生い立ち。そして、喜蔵の想い。
誰もが何かに傷ついて、苦しんで、惑い悩んで。
時に笑顔を忘れてしまうけれども。
互いに手を差し伸べあい、思いやり、
そうやって笑顔を取り戻すことのできる仲間に囲まれた彼らの在り方が
とても素敵だと思いました。
小春の身の置き方が切ないけど、皆ちゃんと小春のことを思ってくれているのがうれしかった。
高市と桃爺のエピソードがとても好き。
真っ正直な誠意ってちゃんと伝わるんだよね。
小春の意図に気付いて
眠るまいと必死で腿を抓る喜蔵と小春のやり取りもとても好き。
なんだかんだこの二人は良いコンビだと思います。
内容(「BOOK」データベースより)
人嫌いの若商人・喜蔵が営む古道具屋を、旅の若者・高市が訪ねてくる。一緒に花見へと繰り出した妹の深雪たちを追いかける羽目になった喜蔵だが、料理だけを残して皆の姿は消えていた。不可思議な一日に翻弄される喜蔵を、待ち受けていたのは―?からくり人形が語り出す深雪の秘めた想い。綾子のかなしい過去。小春の意外な思い出…桜の中でそれぞれの心が交錯する。涙あり、笑いありの明治人情妖怪譚シリーズ第三弾。
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