きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「丕緒の鳥 十二国記 5」小野不由美 (新潮文庫)
人々の暮らしぶりを描いた短編4編。
『丕緒の鳥』
その美しさに息を呑む。
繊細で、だけど脆弱さなど欠片もなく、硬質で澄み切った音を奏でる鳥の音の描写の美しさに。
『落照の獄』
感情で物事をとらえる自分には、弁護士も裁判官も向かないとつくづく思う。
『青条の蘭』
荒廃しきった土地で、民のためではなく、私欲のために躍起になる官吏たち。
その中にあって標仲が民のため、国のために命がけで運んだ筺。
彼が倒れた後は、人の手から手へ。
それが何なのか分からわぬ人々の、ただ善意によって繋がれていくリレー。
その想いに涙が出る。
他一編。
生活をしていくということがどういうことなのか。
色々と突きつけられる。
理不尽に晒されて命を落とすのはやるせない。
戦う力を身につけたいと思うけれども……どうやって?
せめて頼まれたバトンを次の誰かに渡せるようでありたい。
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