きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「欺す衆生」月村了衛(新潮社)
実際に起きた詐欺事件をモチーフに展開されていく物語。
そして私が真実だと思っていたことがそうじゃない可能性があることを提起されてしまった。
踏み出す方向を誤ってしまったばかりに
深い闇に絡め取られていった隠岐。
巻き込まれたような言い方をしているけど、
わかっていて最初の一歩を踏み出した彼はどう言い繕ったって犯罪者だ。
同性だからということを割り引いても、聡美の存在は気持ち悪い。
隠岐と係わり、多くの人が身を持ち崩し、死んでいった。
「因果応報」
という言葉しか浮かばない読後。
だけど、罰せられることなく闊歩している者が間違いなくいるであろう現実を思うと
すごく嫌な感じの寒気がする。
煙草は吸わなければ味が分からない。
薬は手を出さなければ依存することはない。
詐欺だってそう。
濡れ手に粟の状態でお金が入ってくることに味を占めてしまったら?
いやいや。
世の中、欺す人ばっかりじゃないよ!と思いつつ、
メンタル弱ってる時に読んだら、どよーんとしたまましばらく浮上できなかった気がする。
ヤクザ者を魅力的に描くのは相変わらずうまいなー。
とりあえずほのぼのしい本を読んで癒されよう。
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