きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「去年の冬、きみと別れ」中村文則(幻冬舎文庫)
「去年の冬、きみと別れ」
タイトルの言葉が作中で出てきた瞬間、走った鳥肌。
あくまでも主観ですが、私の中に巡った単語は「逆転」。
深沼にはまり込む様に一気に読み切って、
誰ひとりの狂気にも寄り添えなかった自分に安堵する。
彼らの愛情や執着はあまりにも一方的で、あまりにも押しつけがましく、
あまりにも自分本位なんだけど、どこか一途。
そして彼らの憎悪はある意味正しくて、だけど激しく間違っている。
どこに進むかを選択できる側はいいだろうけれども、
巻き込まれる側に選択肢がないことに感じる引っ掛かり。
ラストの男の言葉に「気取ってんじゃないわよ」と、
小さく胸の内で呟いてみたところで、その引っ掛かりは飲み下せそうにもない。
個人的な事情により、本読んでる場合じゃないのに!
最初の一ページ目をチラッと見たら、そのままつかまってしまった。
わーー、明日後悔……しないな。これも私の選択(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は―。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!
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