きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「君の夢は もう見ない」五條瑛(集英社)
構成がうまいのか、筆力がありすぎるのか。
「手紙」と「聞き取り」を介して語られる彼らの生き様に問答無用で引き込まれる。
そして、圧倒的な存在感を放つ「火蛇」に引きずられるけれども。
作中で一番魅力的なのは「お風呂入ってくださいよ!」と
再三に渡って社員から言われ続ける仲上だ。
ぱっとしないおっさんを装いながらも、
彼の観察眼と着眼点、そして分析力は目を瞠るものがある。
第一線で活躍していたスパイだけのものはある。
そんな彼に心酔するチャン。
良い人、悪い人の定義って必要なくて、
自分が相手を好きか否か。
関係性なんて、ただそれだけでいい。
「サラマンドラ」と言えば「みんなのうた」。
思い出した瞬間にものすごく悲しい気分になっちゃう。
なんであんな淋しい歌作ったんだろう?
作中の火蛇は野心に溢れ、精力が漲っているけれども、
懸命に仲上にラブコールを送っても、色よい返事はもらえない。
「ひとりぼっち」という歌詞がぐるぐる回る。
「もう一度、俺と一緒に夢を見よう」
「君の夢はもう見ない」
妄想で一本話が書けそう(笑)
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