きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「図南の翼」小野不由美(新潮文庫)
「王の責務を正しく果たせるのか?」と、問われ、
「あたしにできるはずないじゃない!」と、叫んだ珠晶。
ここから珠晶が想いを爆発させるシーンは本当に好き。
文句を言うのも嘆くのもやるべきことをやってからではないのか?と、珠晶は問いかける。
誰もが自分さえ良ければいいと思っている限り、国の窮状は救えない。
彼女の言うことは間違ってはいない。
十二歳の子どもにここまで言わせてしまう大人の不甲斐なさ。
でも、可もなく不可もない現状に甘んじる心境も
なんとなく理解できてしまう自分がちょっとさみしかったりもする。
でも珠晶の周りには頑丘や利広のような大人もいる。
彼らと共に作り上げる恭国の未来は溌剌とした色をしているような気がします。
そして供麒と珠晶。なんだかとっても素敵なコンビだと思います(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。珠晶、12歳の決断。「恭国を統べるのは、あたししかいない」。
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