彼はわかっていた。
欲しくて、欲しくて、どうしても欲しくて仕方のないものが、
決して手に入らないことを。
それでも、諦めることなどできないことを。
明るい輪の中に入ることの叶わない孤独な鬼。
否。
輪の中から出てしまった彼が再びその輪の中に入ることなど望みはしないだろう。
なれなかった家族。
故に満たされない渇き。
そして、白であり黒であった彼。
混ざりあってグレーになって。
個として安定するといい。
彼が白であり続けることは、多分、歪なことだから。
それにしても……青目の資金源ってどうなっているんだろう?
作中にかつての自分が読んだ本が出てくると、ちょっと嬉しくなる。
PR
COMMENT