きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「影の中の影」月村了衛(新潮社)
【人間とは裏切る生き物だ。
だが同時に、信義も誇りも、厳然として存在する】
影ではあっても孤独ではない男。
手を掴んだ人たちの命を守る為に身体を張って闘ったヤクザ。
目を背けることなく、真実を追い求めた彼女。
ウイグルからの亡命者たちを守る為に
限られた時間の中で繰り広げられた凄惨な死闘。
国も警察も、あてにならない状況下で、
寄る辺になるものは自らの技量と、これまで培ってきた人たちとの絆。
根底にあるのは信頼。
だから、闘える。
一気に読み切る面白さを備えた本書は、極上のエンターテイメント。
そこに理屈はいらない。
……とはいえ。
フィクションとノンフィクションの境界はさておき、
取り上げられている問題は深刻な問題だと思います。
他作品の感想の繰り返しになるけど、
著者は「人と人」「人の在り様」を描くのがとても上手い。
個人的には樋口の生き様がとても印象的でした。
一歩間違えたらシリアルキラーになってしまっていた彼に、居場所があってよかった。
そして、そんな彼を御した菊原組長がカッコイイ!
「リラックス」「深呼吸」
行き詰った時には必ず思い出したい言葉です。
内容(「BOOK」データベースより)
人民解放軍による悪魔の所業から逃れ、日本に潜伏中のウイグル人亡命団と、事件を追う女性ジャーナリストが襲われた。証拠隠滅をはかるべく送り込まれた中国の刺客。それを黙認する弱腰の日本政府と警察。絶体絶命の亡命団に、謎の男が救いの手をさしのべた。頭脳明晰、身体屈強。ロシア武術を極め、情報機関にも裏社会にも怖れられる存在―。こいつは一体何者なのか?その手がかりは、謎の言葉「カーガー」。
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