きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「いつか友よ 挑戦シリーズ5」北方謙三(集英社文庫)
カナダの山中で、獣と死者と向き合う生活を送っていた竜一。
あたかも、世捨て人であるかのように。
そんな彼を現実世界に引き戻した少年がいた。
「お礼を、なにもできないんだ、ぼくには」
「おまえが、ひとり前の男になることさ」
交し合った笑顔が、いまはとても苦しい。
守るために。
生き延びるために。
そして、誇りのために。
そのために闘い方を身に着けざるを得なかった男たちの生き様は、一様に哀しい。
ハンティングワールドのバッグを手放した竜一は、
日本との決別を心に決めたように思えて仕方がない。
またもや居場所を失くした男は、それでも、生ある限り闘いつづけるのだろう。
やるせない読後感で挑戦シリーズ終了。
自らのできることを力の限りやりつくした結果、
何かを失くしていく竜一の生き様がとてもやるせない。
彼のやすらぎはどこにあるのだろう?
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