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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「彼女がその名前を知らない鳥たち」沼田まほかる(幻冬舎文庫)



馬鹿だなーと思う。
自分を理解して、愛して慈しんでくれる人は、すぐそばにいたのに。
気付けなかったことが、十和子の陣治への想いが愛じゃなかったっていうことの証明なのかな。
陣治を一方的に罵り、誇りを持っていた仕事を捨てさせ、彼の稼いできたお金で自堕落に過ごす十和子。
でも、それでも陣治は十和子と共にいたかった。
陣治の想いはまぎれもない愛だったと思う。
時に、人の想いは、こんなにも噛み合わない。
一緒に居続けたのは十和子の弱さであり、狡さであり、それを許した陣治の孤独と淋しさ。
お金を稼ぐって大変なんだよ、人は働かないと生きていけないんだよ、と、十和子にはうっかり説教したくなりました(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。衝撃の長編ミステリ。

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