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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「九月が永遠に続けば」沼田まほかる(新潮文庫)



【性的な空想はどんなに常軌を逸していても
 空想である限り、あるいは他人に危害を加えない限り許される】

期待感が高すぎたのか、衝撃を受けることなくスルリと読み終わってしまった……
真実を知りたいと願いながらも、真実を口にすることのない登場人物たち。
自分にとって都合の悪いことに関して咄嗟に嘘をついてしまうのは、
人間ならではの保身だったりエゴだったりするんだろうなぁ。

何が一番印象に残ったかって、服部父!
心配が先に立っての無遠慮無神経な振る舞いで佐知子をイラつかせ、毛嫌いされていたけれど
最終的には頭にのった雪を振り払ってもらうほどに受け入れてもらっているよ(笑)
事件の渦中の当人は食事どころではないのは痛いくらいわかるけども、
食べないとダメだよ、と、食事の支度をし続けた彼の気持ちもわかる。
常軌を逸した状況に巻き込まれた佐知子たちの傍には、
彼のように日常に両足をつけた人物の存在が必要だったのかもしれない。
でも、そこに佐知子に対する恋心があったのかどうかは読み解くことはできなかった。
いや、やっぱりこれ、ものすごく的外れな感想なんだろうな(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか―。人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。

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