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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「怒り 上巻」吉田修一(中公文庫)



二人が殺害された現場に残された「怒」という血文字。
凄惨な殺人事件の現場から始まる物語。
だが、上巻を読み終えた時点で、その動機は皆目見当もつかないし、
犯人の姿も浮かんではこない。
綴られるのは、千葉、東京、そして沖縄で生活をする者たちの、
日々の営み。
当たり前の日常の中で、彼らは出逢い、生活を共にしていく。
その姿があまりにも自然で、そのまま時が続くことを願いたくなるけれども。
読み進める程に暗い影を投げかけてくるのは、三人の男たちの見えない過去。
彼らに係る男も女も、皆、一様に傷ついている。
彼らはその過去を受け入れるのか、打ちのめされるのか。

優馬の母との決別が哀しかった。
後から悔いるから後悔。
伝えたい言葉は伝えたいうちに。
手が届かないところに逝ってしまった人には、何も伝えられない。



内容(「BOOK」データベースより)

若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。犯人は山神一也、二十七歳と判明するが、その行方は杳として知れず捜査は難航していた。そして事件から一年後の夏―。房総の港町で働く槇洋平・愛子親子、大手企業に勤めるゲイの藤田優馬、沖縄の離島で母と暮らす小宮山泉の前に、身元不詳の三人の男が現れた。

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