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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「悪寒」伊岡瞬 (集英社文庫)



事件が起きてから裁判に至るまでが淡々と描かれる第一部。
そして、少しずつ明らかになる真相に右往左往する第二部。
事件の根底にあった感情は憎しみ。
「一日も欠かさず嫌いなところを書いてきた」
これは、毎日ひとつ、良いこと探しをして書いている私にとっては衝撃。
他人を陥れることに注ぐ力があるなら、
自分が楽しむことに全力を費やしたい。
と、私なら思うけど、そこはまぁ、人それぞれ。
事件の渦中にあった藤井家、みんなそれぞれが頑張った。
間違った方向に頑張った人もいたけど、
それなりの代償を払って手にしたぬくもり。
もう、見失わないよね。

「家族は放っておいてうまくいくものじゃない」
とは、主人公の台詞。
コロナの影響で子どもも両親も自宅にいる時間が大幅に増えて。
つまりは一緒にいる時間が増えた分、もめ事が多発してるんじゃないかって
密かに心配していた家庭があったんだけど。
その心配は杞憂で、今まで絶えなかった家族間の喧嘩が勃発する頻度がかなり低くなった
のが実際のところ。
その理由を奥さんが「今まで話が出来なくてすれ違っていた分、ちゃんと話をする時間が増えて意思疎通が図れるようになったから」と分析していたことをなんとなく思い出しました。


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