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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ」椹野道流(角川文庫)



【『みんな』が自分の周りにいてくれるってのが、
 幸せなんだよなあ、きっと】

親子でも兄弟でもその関係は個と個で、
道を正すことはままあっても、
価値観を押し付けることは間違っている。
修復できない程に行き違ってしまった兄弟の関係。
そこに至るまでにはそれ相応の理由があって、
それなのに関係の修復をちらつかせる奈津の存在に、
終始苛立ちを感じたけれども。
病室で兄弟がホットケーキを焼くシーンでじんわりしてしまいました。
おせっかいをやく人がいなければ、彼らはこんな時間を持てなかった。
でもそれは、彼らが家族だったからこその歩み寄り。
他人だったら多分無理だった。
だからこそ、これからの時間を大事にしてほしいなーと思いました。

そして明らかになった夏神さんの過去。
彼の後悔と罪悪感は多分、一生消えないと思うけれども。
「俺のことを助けるために生き残った!」と言った海里。
「自分の命も加えてほしい」と言ったロイド。
みんな素敵だね。
今回もご馳走が大変美味しそうでした!


内容(「BOOK」データベースより)

兵庫県芦屋市、元イケメン俳優の五十嵐海里は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」で、料理人見習いとして働き始めた。店長・夏神留二の謎めいた過去が気になるが、親しき中にも礼儀あり。打ち明けてもらえる日を待っている。そんなある日、獣医だという女性客がやってきた。彼女はなんと、海里の兄の婚約者。しかし海里と兄とは派手にケンカ別れをしたきりで…。とびきり温かく、優しい絆がここにある。泣けるお料理青春小説。

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