きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「青を抱く」一穂ミチ(フルール文庫 ブルーライン)
友へ、息子へ、兄へ、恋人へ。
いろいろな「ありがとう」の詰まった優しい話。
みんな自分ではない誰かのことを考えて、一生懸命生きている。
そして、みんな秘密を抱えていて、吐き出せずに苦しんでいる。
色々な想いがジワジワと染みてきて、胸が締め付けられました。
家族が家族として支えあって、きちんと纏まっていて、安堵します。
そして、泉と宗清との必然的な出逢いと、運命的な恋。
恋愛っていいなぁ、と、素直に想える二人の関係性が好き。
細かい描写を曖昧なままにせずに、しっかり回収しているところが一穂さんだなぁ、と思いました。
居酒屋での宗清と靖野との秘密の共有。
その内容を問い詰めるのではなく、「悪い気はしない」といった泉。
この三人の関係性、好きだなーと思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
静かな海辺の街で暮らす和佐泉は、毎朝の日課で海岸を散歩中、ひとりの男と出逢う。少し猫背の立ち姿、振り向いて自分を映した黒目がちの瞳―叶宗清は、海での事故以来、病院で2年間目覚めないままの弟の靖野によく似ていた。旅行中だという宗清の飾らない人柄を疎ましくも羨ましく、眩しく感じてだんだんと惹かれていく泉。だが泉には、同じように好意を寄せてくれる宗清には応えられないある秘密があって…。
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