きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「槐」月村了衛(光文社)
【愛する人を守るための戦い。
そのためには、まず自分が生き残らねばならない。】
表紙と中表紙の綺麗さと、突如として繰り広げられる虐殺現場の凄惨さのギャップに、
まずぎょっとした。
絶体絶命の状況に恐怖に戦く公一たちと同じように息を呑みながら頁を捲り、
「槐」というタイトルの意味が明確にされたとき、物語に対する見方が変わる。
そこからさらに加速がついて一気読み。
自分本位だった少年少女たちが次第に互いのために全力を傾けるようになり、
子どもたちを守るために、大人もまた捨て身の覚悟で戦いに挑む。
恐怖と緊張を強いられた一夜の間に展開された壮絶なバトル。
亡くした命もあったけれども。
傷を抱え込まずに成長の跡が見て取れた子供たちの姿に安堵した。
さすが月村了衛氏。
一気に読ませるスピード感に乗せられるまま走り切り、どっと疲れた読後でした。
ラスト一文、すごくよかった!
内容(「BOOK」データベースより)
弓原公一が部長を務める水楢中学校野外活動部は、夏休み恒例のキャンプに出かけた。しかしその夜、キャンプ場は武装した半グレ集団・関帝連合に占拠されてしまう。彼らの狙いは場内のどこかに隠された四十億円―振り込め詐欺で騙し取ったものだ。関帝連合内部の派閥争いもあり、現金回収を急ぐリーダー・溝淵はキャンプ場の宿泊客を皆殺しにし、公一たちは囚われの身に…。そのとき、何者かが関帝連合に逆襲を始めた!圧倒的不利な状況で、罪なき少年少女は生き残ることができるのか!?
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