きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「機龍警察[完全版]」月村了衛(早川書房)
【敵は警察の中にいるからだ】
警察組織の中に属する者の誇りとは?
仕事に賭ける熱意とは?
「敵は警察の中にいる」
この言葉で終わるこの物語は、壮大な物語の序章。
大人げなく仲間を罵倒し、捜査をぶち壊す警察がいる一方で、
淡々と任務を遂行する三人の傭兵。
抱えた過去から目を逸らさず、自らをも俯瞰するような姿。
孤独と疎外感を抱えたユーリ。
どこまでも深い闇の中にいるライザ。
彼らの方がよっぽど命がけで戦っている。
警察仲間にやっかみの入った理不尽な敵意を向けられながらも、
熱意を失わない夏川や由紀谷ら捜査員の存在も忘れてはならない。
再読して改めて気づかされる、ちりばめられた伏線。
今後の展開が楽しみだ。
単行本に収録された著者の「インタビュー・エッセイ再録」は、
彼のこの物語に対する熱意と真摯な姿勢、
執筆にあたって何に影響され、どんなことを思いながら文章を生み出しているのか。
そういったことを垣間見ることができて、興味深かった。
今年最後の感想です。
機龍警察にはじまり、機龍警察に終わった一年でした!
内容(「BOOK」データベースより)
テロや民族紛争の激化に伴い発達した近接戦闘兵器・機甲兵装。新型機“龍機兵”を導入した警視庁はその搭乗員として3人の傭兵と契約した。警察組織内で孤立しつつも彼らは機甲兵装による立て籠もり現場へ出動する。だが事件の背後には想像を絶する巨大な闇が広がっていた…日本SF大賞&吉川英治文学新人賞受賞の“至近未来”警察小説シリーズ第1作を徹底加筆した完全版。必読の特別企画多数収録
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